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- 高齢になって賃貸マンションを借りようとしたら、断られてしまった
- 年金暮らしで保証人もいないけれど、部屋を借りられるか不安
- 2025年に変わった制度で、高齢者が借りやすくなったと聞いた
- 高齢の親の住み替えを考えていて、どこに相談すればいいか知りたい
「年齢を伝えたら、とたんに不動産会社の対応が変わった」「何件も問い合わせたのに、審査に通らなかった」。高齢の方が賃貸マンションを探すとき、こうした悔しい思いをすることは少なくありません。でも、あきらめる必要はありません。借りにくい理由を知り、準備をしておけば、選べる住まいは広がります。2025年10月からは、高齢の方が借りやすくなるよう国の制度も新しくなりました。この記事では、高齢者が賃貸マンションを借りにくい理由、審査に通りやすくするコツ、新しい制度、高齢者が選びやすい住まいの種類、相談先まで、ご本人とご家族に向けてやさしく解説します。
※制度の情報は、2026年10月時点で国土交通省・UR都市機構などの公式情報で確認した内容に基づいています。
高齢者が賃貸マンションを借りにくい理由|大家さんの3つの不安
高齢の方が部屋を借りにくいのは、大家さんが「入居後に困ることが起きないか」と不安を感じやすいからです。理由を知っておくと、どんな準備をすればよいかが見えてきます。
家賃を払い続けられるかへの不安
日本賃貸住宅管理協会の調査(2018年の参議院の質問主意書で紹介)では、単身の高齢者の入居に拒否感がある大家は65%にのぼり、入居を制限する理由で最も多かったのは「家賃の支払いに関する不安」(57.3%)でした。年金だけの収入だと、長く払い続けられるかを心配されやすいのです。
部屋で倒れたり亡くなったりすることへの不安
同じ調査では、「居室内での死亡事故等への不安」(18.8%)も入居を制限する理由として挙げられています。一人暮らしの方が部屋で亡くなり、発見が遅れることや、その後の部屋の片づけ、契約の手続きが進まないことを心配する大家さんは少なくありません。
保証人や緊急連絡先がいないことへの不安
賃貸契約では、連帯保証人や緊急連絡先を求められるのが一般的です。高齢になると、頼める親族がいなかったり、きょうだいも高齢で保証人として認められなかったりすることがあります。
高齢者が賃貸の審査に通りやすくするコツ
大家さんの不安を一つずつ減らしていくことが、審査に通りやすくするいちばんの近道です。次のような準備をしてみてください。
- 家賃の目安を決めておく
年金などの収入から、無理なく払い続けられる家賃を計算しておきます。家賃を抑えた物件を選ぶほど、審査でも安心してもらいやすくなります。 - 預貯金を証明できるようにする
収入が年金だけでも、預貯金があれば支払い能力を示せます。通帳のコピーや残高証明書を用意しておくと、審査で役立つことがあります。 - 家賃保証会社を使う
保証人がいなくても、家賃保証会社を利用すれば契約できる物件は多くあります。国が認定した、高齢の方なども利用しやすい保証会社もあります。 - 見守りサービスに申し込む
電話や訪問、センサーなどで安否を確認する見守りサービスを利用することを伝えると、大家さんの不安がやわらぎます。 - 緊急連絡先を決めておく
子どもや親族、または支援団体など、何かあったときに連絡がつく人を決めておきます。 - 高齢者の入居に慣れた不動産会社を選ぶ
「高齢者歓迎」「シニア向け」とうたう不動産会社は、受け入れてくれる大家さんとのつながりを持っていることがあります。
部屋探しは、体力や判断力に余裕があるうちに始めるのがおすすめです。急な入院や立ち退きで探すことになると、選べる物件が限られてしまいます。住み替えを考え始めたら、早めに動くことが大切です。
2025年10月施行の改正住宅セーフティネット法|高齢者が借りやすくなる仕組み
高齢の方などが住まいを借りやすくするため、2025年10月1日に改正住宅セーフティネット法が施行されました。大家さんの不安を減らすための新しい仕組みがいくつも始まっています。
見守りつきの「居住サポート住宅」
居住サポート住宅は、居住支援法人などが大家さんと連携して、日常の安否確認や訪問による見守りを行い、暮らしが不安定になったときには福祉サービスにつないでくれる賃貸住宅です。市区町村などが認定する仕組みで、入居者も大家さんも安心して契約しやすくなります。
国が認定する家賃債務保証業者
高齢の方なども利用しやすい家賃保証会社を、国土交通大臣が認定する制度ができました。保証人を頼める人がいない場合でも、こうした保証会社を利用することで契約しやすくなります。
亡くなった後の手続きの不安を減らす仕組み
居住支援法人の仕事に、入居者から頼まれて行う「残置物(部屋に残された家財)の処理」が加わりました。あわせて、国土交通省と法務省が作った「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を使えば、単身の高齢者が亡くなった後の契約の解除や家財の処理を、あらかじめ決めておくことができます。また、借りる人が亡くなるまで住み続けられ、亡くなったときに契約が終わる「終身建物賃貸借」の手続きも簡単になりました。
| 仕組み | やわらげる不安 |
|---|---|
| 居住サポート住宅 | 部屋で倒れる・発見が遅れる不安 |
| 認定家賃債務保証業者 | 家賃の支払い・保証人がいない不安 |
| 残置物処理・モデル契約条項 | 亡くなった後の契約解除や家財の片づけの不安 |
| 終身建物賃貸借 | 契約が相続されて手続きが長引く不安 |
高齢者が選びやすい賃貸住宅の種類|特徴と向いている人
一般の賃貸マンションのほかにも、高齢の方が借りやすい住まいがあります。それぞれの特徴を比べてみましょう。
| 住まいの種類 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| UR賃貸住宅 | 礼金・仲介手数料・更新料・保証人が不要。収入の代わりに貯蓄で申し込める基準もある | 保証人がいない人、貯蓄がある人 |
| 高齢者向け優良賃貸住宅(UR) | 60歳以上が対象。段差の少ない設計で、緊急時対応サービスつき。所得によって家賃が減額される場合も | 自立して暮らせる60歳以上の人 |
| 公営住宅 | 都道府県や市区町村が運営。収入に応じた家賃で、高齢者世帯の優先枠を設ける自治体も | 収入が限られている人 |
| セーフティネット登録住宅 | 高齢者などの入居を拒まない住宅として登録された民間賃貸住宅 | 一般の物件で断られ続けている人 |
| 居住サポート住宅 | 見守りと福祉サービスへのつなぎがセットになった賃貸住宅 | 一人暮らしで見守りがほしい人 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | バリアフリーで、安否確認と生活相談のサービスがつく賃貸住宅 | 見守りや生活の相談を受けながら暮らしたい人 |
UR賃貸は保証人がいなくても申し込める
UR賃貸住宅は、礼金・仲介手数料・更新料・保証人が不要で、保証会社の保証料もかかりません。収入の基準がありますが、収入が足りない場合でも、家賃の100倍以上の貯蓄があれば申し込める基準があります。60歳以上の方には、親族の収入や貯蓄で申し込める特例もあるので、URの窓口で確認してみてください。
セーフティネット住宅や居住サポート住宅の探し方
セーフティネット登録住宅は「セーフティネット住宅情報提供システム」、居住サポート住宅は「居住サポート住宅情報提供システム」というウェブサイトで探すことができます。地域や家賃で絞りこめるので、ご家族が一緒に調べてみるのもよいでしょう。
高齢者の賃貸マンション選びで見ておきたいポイント
借りられる物件が見つかっても、住みにくければ長く暮らすことはできません。これから先の暮らしも考えながら、次の点を確認しましょう。
建物と部屋の中
- エレベーターがあるか。ない場合は1階や低い階か
- 玄関や室内、浴室の段差が少ないか
- 浴室やトイレに手すりをつけられるか(取り付けてよいか大家さんに確認)
- 冬に寒くなりにくいか。脱衣所や浴室に暖房を置けるか
まわりの環境
- スーパーや病院、薬局が歩いて行ける距離にあるか
- バス停や駅が近く、坂道が少ないか
- 家族が様子を見に行きやすい場所か
- 地域包括支援センターや、なじみの介護サービスの事業所が近くにあるか
契約の前に確認したいこと
- 契約の種類:更新できる「普通借家契約」か、期間が来ると終わる「定期借家契約」か
- 更新料や保証料:更新のたびにかかる費用、保証会社の初回・更新時の保証料
- 手すりの取り付けなど:将来、手すりをつけたり段差を解消したりしてよいか、退去時に元に戻す必要があるか
- 見守りや緊急時の対応:管理会社の連絡先、夜間や休日の緊急時の対応方法
とくに定期借家契約の場合は、期間が終わると住み続けられないことがあります。長く住みたい場合は、契約の種類を必ず確認しましょう。分からない言葉があれば、その場で遠慮せずに質問してください。
掃除やゴミ出しなど、暮らしの中の困りごとを支える方法については、高齢者が掃除できない原因と対処法!家族ができる支援と使える制度でも紹介しています。
高齢の親の部屋探しで家族ができること
高齢の親の住み替えでは、家族のサポートが大きな力になります。ただし、主役はあくまで親自身です。本人の希望を聞きながら、一緒に進めていきましょう。
緊急連絡先や保証人を引き受ける
家族が緊急連絡先や連帯保証人になることで、審査に通りやすくなることがあります。保証人になる場合は、責任の範囲や上限額を契約書でよく確認しておきましょう。
見守りの体制を整える
定期的な電話や訪問のほか、見守りサービスや見守り家電を取り入れることも考えてみてください。介護が必要になってきたら、ヘルパーなどの介護サービスも見守りの一つになります。
もしものときの話をしておく
亡くなった後の部屋の片づけや契約のことは、話しにくい話題です。それでも、残置物のモデル契約条項などを使って元気なうちに決めておくと、本人も家族も安心できます。「お互いのために決めておこうね」と、前向きな話として切り出してみてください。
住み替えをすすめるときは、「一人じゃ危ないから」ではなく、「病院やスーパーが近いところなら、もっと楽に暮らせると思うんだけど、どうかな」と、本人の暮らしがよくなる提案として伝えると、前向きに考えてもらいやすくなります。
親との同居や近居を考えているご家族は、暮らし方の変化による負担にも目を向けてください。同居によるストレスが心配な方は、高齢者と暮らすストレスが限界になる前に!今日からできる7つの対処法も参考にしてみてください。
高齢者の賃貸探しの相談先
一人で探して断られ続けると、気持ちが沈んでしまいます。そんなときは、住まい探しを手伝ってくれる窓口を頼ってみましょう。
| 相談先 | 相談できること |
|---|---|
| 居住支援法人 | 住まい探しの相談、入居後の見守り、家賃債務保証など。都道府県が指定したNPO法人など |
| 居住支援協議会 | 自治体や不動産団体、福祉団体が連携した相談の場。地域の受け入れ物件の情報など |
| 市区町村の住宅担当窓口 | 公営住宅の募集、住まいの支援制度、セーフティネット住宅について |
| 地域包括支援センター | 高齢者の暮らし全般の相談。介護や見守りの体制づくりとあわせて相談できる |
| UR賃貸住宅の窓口 | UR賃貸や高齢者向け優良賃貸住宅の空き状況、申込資格の確認 |
よくある質問
まとめ
- 高齢者が借りにくいのは、家賃・孤独死・保証人に対する大家さんの不安が理由
- 家賃を抑える、預貯金を示す、保証会社や見守りサービスを使うことで審査に通りやすくなる
- 2025年10月施行の改正住宅セーフティネット法で、居住サポート住宅や認定保証業者の制度が始まった
- 残置物のモデル契約条項で、亡くなった後の手続きの不安を減らせる
- UR賃貸は保証人不要で、貯蓄で申し込める基準や60歳以上向けの特例がある
- 物件はエレベーター、段差、病院やスーパーまでの距離など、先の暮らしも考えて選ぶ
- 困ったら居住支援法人、自治体の住宅窓口、地域包括支援センターに相談する
年齢を理由に断られると、自分が否定されたように感じてしまうかもしれません。でも、それは大家さんの「不安」が理由であって、あなたの価値とは関係ありません。不安を減らす準備と制度を味方にすれば、安心して暮らせる住まいはきっと見つかります。まずはお住まいの地域の居住支援法人や市区町村の住宅窓口に、気軽に問い合わせてみてください。
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