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介護で旅行に行けない状態が何年も続いている。そう感じている方は決して少数派ではありません。この記事では、家を空けられない理由を4つに分解したうえで、預け先の選び方、費用と日数のルール、3か月前からの準備手順、留守中の体制のつくり方まで、順を追って整理します。
こんな疑問を持つ方へ
- 親を数日預けたいが、どこに何を頼めばいいのか分からない
- ショートステイは何日まで使えるのか、いくらかかるのか知りたい
- 本人が「行きたくない」と言うので話が進まない
- 留守中に何かあったらと思うと、予約ボタンが押せない
- 旅行のために預けるのは自分勝手ではないかと感じてしまう
介護で旅行に行けないのはなぜ?理由を4つの壁に分けて整理する
「行けない」と一言で言っても、その中身は人によって違います。預け先がないのか、休みが取れないのか、気持ちが踏み出せないのか、お金の見通しが立たないのか。ここを分けずに悩むと、いつまでも動き出せません。まず、自分がどの壁にぶつかっているのかを特定するところから始めます。
| 壁の種類 | 主な中身 | 最初に取る行動 |
|---|---|---|
| 物理の壁 | 預け先がない、予約が取れない、本人が拒否する | ケアマネジャーに「泊まりの選択肢」を全部出してもらう |
| 時間の壁 | 仕事の休みが取れない、きょうだいと日程が合わない | 勤務先の両立支援制度を確認し、早めに休暇申請する |
| 心理の壁 | 罪悪感、周囲の目、緊急時への不安 | 不在時の連絡体制を紙に書き出して不安を可視化する |
| 費用の壁 | ショートステイ代と旅費の二重負担が読めない | 1日あたりの自己負担額を施設に見積もってもらう |
壁1:預け先という物理的な問題
在宅介護では、介護者が数日家を空けるだけで生活が回らなくなります。特に介護度が上がるほど、その傾向は強くなります。
厚生労働省の2025年国民生活基礎調査によると、同居している主な介護者のうち介護時間が「ほとんど終日」である人の割合は、要介護3で29.5パーセント、要介護4で48.5パーセント、要介護5で54.2パーセントとなっています。要介護4以上では、およそ半数の介護者が一日中介護に関わっている計算です。代わりを一日務められる人を探すのは、簡単なことではありません。
壁2:仕事と日程という時間の問題
預け先が確保できても、今度は自分の休みが取れないという問題が残ります。同じ調査では、介護が必要な人と同居する主な介護者の続柄は配偶者が22.5パーセント、子が18.2パーセント。働きながら親を介護する層が一定数を占めます。
また、内閣府の令和7年版高齢社会白書によると、家族の介護や看護を理由とした離職者は、2021年10月から2022年9月までの1年間で約10万6千人でした。休みが取れないという問題は、放置すると離職につながりかねない性質を持っています。
壁3:罪悪感という心理的な問題
介護者向けのブログや相談掲示板を見ると、「病気や冠婚葬祭なら預けてもいいが、旅行のためだと申し訳ない」という趣旨の声が数多く見られます。責任感が強い人ほど、レジャー目的でサービスを使うことに強い抵抗を覚える傾向があります。
ただ、この感覚には落とし穴があります。抱え込んだまま介護者が倒れれば、在宅介護そのものが続けられなくなります。休息は個人的なごほうびではなく、介護を継続するための必要経費だと捉え直すことが出発点になります。
壁4:費用が読めないという問題
ショートステイの費用と旅行費用が同時にかかるため、総額が読めず躊躇するケースも多くあります。ただし、費用は事前に見積もりを取れば確定できる要素です。「なんとなく高そう」で止まっているなら、ここは比較的早く解消できる壁です。
家を空けるための預け先にはどんな選択肢があるか
「泊まり」の受け皿は、ショートステイだけではありません。本人の状態や必要な医療的ケアの有無によって、選ぶべきサービスは変わります。ケアマネジャーに相談する際は、次の表を手元に置いて「うちの場合はどれが現実的か」を確認すると話が早く進みます。
| サービス | 向いている状況 | 注意点 |
|---|---|---|
| 短期入所生活介護 (ショートステイ) |
日常的な医療処置がなく、食事や入浴の介助が中心 | 人気が高く予約が埋まりやすい。日数のルールがある |
| 短期入所療養介護 (医療型ショートステイ) |
医療処置がある、退院直後でリハビリの継続が必要 | 医学的管理が手厚い分、費用は高めに設定されている |
| レスパイト入院 | 医療的な管理が常時必要で、介護保険のショートステイが難しい | 医療保険の適用。受け入れ条件が限られ主治医の判断が必要 |
| 小規模多機能型居宅介護の泊まり | すでに通いで利用しており、顔なじみの職員がいる | 契約している事業所でのみ利用可能 |
| 施設の体験入居 (有料老人ホーム等) |
保険のショートステイが埋まっている、将来の入居も検討中 | 原則として全額自己負担 |
| 訪問介護の増回や 自費の泊まりサービス |
本人が自宅を離れることを強く拒否する | 保険の支給限度額を超える分は自己負担になる |
まずはショートステイを軸に考える
ショートステイ(短期入所生活介護)は、要介護状態の人が施設に短期間入所して介護を受ける介護保険サービスです。介護者の休息だけでなく、出張、冠婚葬祭、介護者自身の入院など、家を空けざるを得ない場面で広く使われています。旅行を理由に利用することも制度上問題ありません。
医療的ケアがある場合は選択肢が変わる
たんの吸引や経管栄養など日常的な医療処置がある場合、一般的なショートステイでは受け入れが難しいことがあります。この場合は短期入所療養介護、あるいは医師が必要と判断した場合のレスパイト入院が候補になります。どちらも主治医との相談が前提になるため、早めに動く必要があります。
ショートステイの日数・費用・予約はどうなっているか
旅行の計画を立てる前に、制度上の枠を知っておくと段取りを間違えません。特に日数のルールは、知らないと直前になって「使えない」と分かることがあります。
知っておきたい2つの日数ルール
ショートステイには、性質の異なる2つの制限があります。
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 連続30日まで | 介護保険が適用される連続利用は原則30日まで。30日を超える日以降は短期入所生活介護費が算定されないため、いったん自宅に戻って区切るのが一般的です。長期利用が続く場合には報酬が減算される仕組みもあります。 |
| 認定期間のおおむね半数まで | 利用日数の累計は、要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないのが原則です。有効期間が180日なら、目安は累計90日までとなります。超えそうな場合はケアプラン上の必要性の説明が求められます。 |
数日の旅行であれば連続30日に抵触することはまずありませんが、日頃から定期的にショートステイを使っている家庭では、累計日数が積み上がっている可能性があります。介護保険証に記載された認定有効期間と、これまでの利用日数をケアマネジャーに確認しておくと安心です。
費用はどのくらいかかるのか
ショートステイの費用は、介護保険が適用される基本料金・加算と、保険適用外の滞在費・食費・日用品費などで構成されます。自己負担が1割の場合、1日あたりの総額はおおむね2,500円から6,000円程度が目安とされていますが、施設の種類、要介護度、居室タイプ(多床室かユニット型個室か)、負担割合によって金額は大きく変わります。
注意したいのは日数の数え方です。基本料金や加算は1日単位で算定されるため、1泊2日の利用は2日分、2泊3日なら3日分の費用がかかります。「1泊だから1日分」と考えると見積もりがずれます。
なお、市町村民税非課税世帯など一定の要件を満たす場合、滞在費と食費の負担を軽くする負担限度額認定の対象になることがあります。該当しそうな場合は、市区町村の介護保険担当窓口で確認してください。
予約はいつから、どう取るか
ショートステイは希望者が多く、実際の利用まで数か月以上かかる場合があります。特にゴールデンウィーク、お盆、年末年始は予約が集中します。旅行日程が決まったら、真っ先にケアマネジャーへ連絡するのが鉄則です。
- 予約はケアマネジャー経由で行うのが基本。空き状況の把握が早い
- 第1希望の施設が埋まっていた場合に備え、第2・第3候補も同時に検討する
- 初めて使う施設の場合、契約手続きや面談、健康診断書の準備に時間がかかることがある
- キャンセル規定(何日前まで無料か)を予約時に必ず確認しておく
旅行の3か月前から動く準備カレンダー
介護中の旅行は、思い立って翌週に行けるものではありません。逆に言えば、逆算して動けば実現可能性は大きく上がります。目安として3か月前から着手する前提でスケジュールを組みます。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 3か月前 | ケアマネジャーに旅行の意向を伝える。預け先の候補出しと空き確認。勤務先の休暇の目処をつける |
| 2か月前 | ショートステイを仮予約。施設見学と契約手続き。主治医に旅行時期を伝えて服薬や体調面を確認 |
| 1か月前 | 1泊程度の体験利用を入れて本人を慣らす。旅行と施設双方のキャンセル規定を確認 |
| 2週間前 | 持ち物の準備。薬の残数を確認し、必要なら受診を前倒しする。緊急連絡先リストを作成 |
| 前日から当日 | 施設へ申し送り。普段の生活リズム、好きな食べ物、苦手なことを紙で共有 |
体験利用を1回はさむ意味
いきなり旅行本番でショートステイを使うと、本人にとっても施設にとっても負担が大きくなります。環境の変化に慣れていない状態で数日過ごすと、混乱が強く出ることがあるためです。
介護現場からは、定期的に同じ施設を利用して信頼関係ができている場合と、急に空いている施設を利用する場合とでは、受けられるケアの質に差が出やすいという指摘もあります。可能であれば、旅行の1か月前に1泊だけ試しておくと、本人の反応も施設の対応力も事前に把握できます。
仕事の休みをどう確保するか
旅行そのものには年次有給休暇を使うのが基本ですが、その前後の手続きや面談のために平日に時間が必要になることがあります。ここで知っておきたいのが、勤務先の両立支援制度です。
2025年4月に施行された改正育児・介護休業法により、事業主には介護離職を防ぐための対応が義務づけられました。介護に直面したことを申し出た従業員への個別の周知と意向確認、40歳などの早い段階での情報提供、研修や相談窓口の設置といった雇用環境の整備が含まれます。また、介護休暇について勤続6か月未満の労働者を労使協定で除外できる仕組みは撤廃されました。
介護休業は要介護状態の家族を介護するための制度で、対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分割して取得でき、雇用保険から休業前賃金の67パーセントにあたる介護休業給付金が支給されます。これは旅行のための制度ではありませんが、介護体制を組み直す局面で使える選択肢として知っておく価値があります。まずは勤務先の人事窓口に、どんな制度が使えるかを確認してみてください。
留守中の「もしも」に備える体制のつくり方
多くの人が最後まで踏み切れない理由が、緊急時への不安です。ただ、この不安は「起きたらどうしよう」と漠然と考えている限り小さくなりません。起きうる事態と対応手順を紙に書き出すことで、はじめて扱えるサイズになります。
連絡フローと代理キーパーソンを決める
施設は緊急時に家族へ連絡します。そのとき、自分が電話に出られない状況もあり得ます。次の3点を事前に決めておきます。
- 第1連絡先:旅行中の自分。携帯番号に加え、宿泊先の名称と電話番号も伝えておく
- 第2連絡先:代理キーパーソン。近隣に住むきょうだい、親族、信頼できる知人など、駆けつけられる人
- 判断の範囲:救急搬送の同意など、その場で判断が必要な事項を誰がどこまで担うかを、事前に本人・家族間で話し合っておく
特に一人で介護を担っている場合、代理キーパーソンを立てること自体が難題になります。その場合は、あらかじめケアマネジャーに相談し、どこまでを事業者側で対応できるか、家族の判断が必須になるのはどの場面かを整理しておくと、想定外が減ります。
申し送りシートに書いておきたいこと
施設への情報提供は、口頭ではなく紙にまとめて渡すのが確実です。次の項目をA4一枚に収めておくと、職員が引き継ぎやすくなります。
- 普段の起床・就寝時刻、日中の過ごし方
- 服薬の内容と時間、飲みにくい薬の対処法
- 食事の形態、好きなもの、アレルギーや苦手なもの
- 排泄のパターンと介助方法
- 不安が強くなりやすい場面と、落ち着く声かけの例
- 眼鏡、補聴器、入れ歯などの扱い
- かかりつけ医の名称と連絡先、保険証や医療情報の保管場所
旅行先の選び方も体制の一部
初回の旅行では、行き先の選び方そのものがリスク管理になります。介護者向けの相談掲示板では、緊急時にすぐ帰宅できない海外旅行に対して慎重な意見が多く見られる一方、体調が安定している時期に短距離の旅行から始めたという体験談も共有されています。
- 最初は自宅まで半日以内で戻れる距離を選ぶ
- 公共交通機関の最終便や、深夜に移動する手段を事前に調べておく
- 旅行と宿泊施設のキャンセル規定を確認し、直前キャンセルの損失を把握しておく
- 連絡が取りやすい環境かどうか(電波状況など)を確認する
本人が嫌がる・罪悪感が消えないときにどう考えるか
段取りが整っていても、ここでつまずく家庭は少なくありません。本人の拒否と自分の罪悪感は、実は根が同じところにあります。
拒否の背景にあるもの
「施設に預けられるみたいで嫌だ」という反応の裏側には、いくつかの心理があります。自宅は自分のペースで安心して過ごせる唯一の場所であり、見知らぬ部屋やベッド、浴室を使うこと自体が大きなストレスになります。認知症がある場合は、環境の変化への抵抗がより強く出ることもあります。加えて、「見捨てられるのではないか」という不安が言葉の裏に潜んでいることもあります。
小さく試して階段をつくる
一足飛びに数泊を目指さず、段階を刻むほうが結果的に早く進みます。
| 段階 | 内容 | 確認すること |
|---|---|---|
| 第1段階 | デイサービスの利用日数を増やす | 日中を家族以外に任せられるか |
| 第2段階 | ショートステイを1泊試す | 夜間の様子、施設からの報告内容 |
| 第3段階 | 2泊3日の近場の旅行 | 連絡体制が機能するか、自分が休めるか |
| 第4段階 | それ以上の日程や遠方へ | 本人の慣れ具合と体調の安定性 |
伝え方を少し変えてみる
「預ける」「お願いする」という言葉は、本人には受け身の響きに聞こえます。「お泊まりに行く」「入浴やリハビリを受けに行く」のように、本人にとっての利点を主語にした表現に置き換えるだけで、受け止め方が変わることがあります。また、行き先や日数をあいまいにせず、いつ迎えに行くのかを具体的に伝えるほうが安心につながります。
罪悪感との向き合い方
介護から一時的に離れて休息を取る支援は、レスパイトケアと呼ばれます。介護者が心身の負担を軽くすることは、結果的に要介護者が在宅生活を長く続けることにつながる、という考え方が制度の背景にあります。
つまり、休むことは介護を投げ出すことではなく、介護を続けるための行為です。ケアマネジャーに「旅行のために使いたい」と正直に伝えて構いません。むしろ目的を隠すと、適切なプランが組めなくなります。
一緒に行くという選択肢:介護旅行という方法
ここまでは「預けて自分が出かける」前提で書いてきましたが、もう一つのルートがあります。要介護の本人と一緒に旅行に行くという選択です。旅行によるリフレッシュ効果は、介護する側だけでなく介護される側にも期待できます。
専門家に同行してもらう
介護技術と旅の知識を併せ持つ外出支援の専門家として、トラベルヘルパーという職種があります。特定非営利活動法人日本トラベルヘルパー協会が2006年に設立され、2009年4月1日から資格検定制度が導入されています。国家資格ではなく民間資格ですが、旅の計画づくり、事前の下調べ、移動や宿泊の手配、当日の介助までを一貫して担う人材です。
このほか、大手旅行会社がユニバーサルツーリズム専門のデスクを設けているほか、バリアフリー旅行を専門に扱う旅行会社や、地域ごとの相談窓口も各地にあります。観光庁もユニバーサルツーリズムの推進として、受入環境の整備や相談窓口の情報提供に取り組んでいます。
介護保険は旅行の同行には使えない
ここは誤解が多い点です。訪問介護における外出介助は、日常生活上の必要性がある範囲に限られます。日用品以外の買い物、外食、通勤、ドライブや観劇といった趣味嗜好にかかわる外出、冠婚葬祭への出席などは、介護保険の対象外とされています。
したがって、旅行への同行を頼む場合は保険外の自費サービスになります。訪問介護事業者が自費サービスを併せて提供している場合もあるため、顔なじみのヘルパーに頼めないかをケアマネジャーに相談してみる価値はあります。
一緒に行く場合に必ず確認したいこと
- 主治医への相談。移動距離、標高、気温変化に耐えられるか
- 宿泊先の設備。段差、浴室、ベッドの高さ、食事形態への対応可否
- 移動手段。リフト付き車両、介護タクシー、車椅子対応の座席
- 薬。日数分に予備を足して持参し、お薬手帳も携行する
- 行程。詰め込まず、休憩とトイレの位置を先に決めておく
- 体調が悪化した場合に途中で切り上げる判断基準を、事前に共有しておく
よくある質問
Q1. 旅行を理由にショートステイを使ってもよいのですか
問題ありません。ショートステイは介護者の休息、出張、冠婚葬祭など、家を空ける必要がある場面で利用できるサービスとして位置づけられています。ケアマネジャーには理由を正直に伝えたほうが、日程や施設の調整がスムーズに進みます。
Q2. 直前でも予約は取れますか
空きがあれば可能ですが、希望者が多く、実際の利用まで数か月以上かかることもあります。特に大型連休や年末年始は困難です。初めて利用する施設では契約手続きや面談も必要になるため、旅行日程が決まった時点ですぐ動くことをおすすめします。介護者の急病など、やむを得ない事情がある場合の緊急利用については、地域によって受け入れの仕組みが異なるので市区町村やケアマネジャーに確認してください。
Q3. 費用はどのくらい見ておけばよいですか
自己負担1割の場合、1日あたりの総額はおおむね2,500円から6,000円程度が目安とされています。ただし施設の種類、要介護度、居室タイプ、負担割合によって差が大きく、この範囲に収まらないこともあります。基本料金は1日単位で算定されるため、1泊2日なら2日分かかる点に注意してください。正確な金額は施設またはケアマネジャーに見積もりを依頼するのが確実です。
Q4. 本人がどうしてもショートステイを拒否します
まずは日中のデイサービスから慣らし、次に1泊を試すという段階を踏んでください。それでも難しい場合は、自宅で過ごしたまま訪問介護や自費の泊まりサービスを組み合わせる方法、あるいは通い慣れた事業所の泊まり機能を使う方法があります。選択肢は一つではないので、ケアマネジャーに「本人が自宅を離れられない前提」で案を出してもらいましょう。
Q5. 海外旅行は避けたほうがよいですか
制度上の禁止はありませんが、緊急時にすぐ戻れないという点で難易度は上がります。介護者向けの相談掲示板でも、海外については慎重な意見が多く見られます。検討する場合は、代理で判断できる親族を国内に立てられるか、本人の体調が安定しているか、といった条件が整っているかを冷静に確認してください。まずは国内の近場から始め、体制が機能することを確かめてから広げるのが現実的です。
まとめ
- 「行けない」の中身を、物理・時間・心理・費用の4つの壁に分けて特定することから始める
- 泊まりの受け皿はショートステイだけでなく、医療型ショートステイ、レスパイト入院、小規模多機能の泊まり、体験入居など複数ある
- ショートステイには連続30日までと、認定有効期間のおおむね半数までという2つの日数ルールがある
- 費用は自己負担1割で1日あたり2,500円から6,000円程度が目安。基本料金は1日単位で算定される
- 予約は数か月待ちになることもあるため、3か月前からの逆算で動く
- 旅行前に1泊の体験利用をはさむと、本人も施設も準備が整いやすい
- 留守中の連絡フローと代理キーパーソン、申し送りシートを紙で用意しておく
- 本人の拒否には、デイから1泊へと段階を刻むアプローチが有効
- 休息は介護を続けるための手段であり、ケアマネジャーには目的を正直に伝えてよい
- 本人と一緒に行く介護旅行という道もある。ただし旅行への同行は介護保険の対象外で自費になる
介護で旅行に行けない状況は、多くの場合「制度を知らない」ことと「段取りを組んでいない」ことの積み重ねで生まれています。一気に解決しようとせず、まずはケアマネジャーに一言、休みたいという希望を伝えるところから始めてみてください。
この記事は一般的な情報をまとめたものです。介護保険サービスの取り扱いや利用条件は市区町村や事業所によって異なる場合があります。具体的な利用にあたっては、担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口にご確認ください。
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