ケアマネは50代未経験から目指せる?逆算で分かる最短ルートと費用

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こんな疑問を持つ方へ
  • この年齢から資格を取っても、働ける期間が短いのではないか
  • 介護の仕事をしたことがないが、それでも間に合うのか
  • 資格を取るまでに何年かかり、いくら必要なのか知りたい
  • 取ったとして、未経験の中高年を採用してくれる職場はあるのか
  • 体力に自信がなく、現場介護を長く続けられる気がしない

ケアマネジャーを50代・未経験から目指すことは可能です。ただし本当の壁は年齢ではなく、受験資格を満たすまでに必要な「年数」にあります。公的データと2026年に成立した制度改正をもとに、逆算スケジュールまで具体的に整理します。

ケアマネは50代・未経験から目指せる?結論と、その前に確認したい前提

50代・未経験からケアマネを目指せるか、受験資格の前提を確認するイメージ

結論として、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格取得に年齢の上限はありません。介護支援専門員実務研修受講試験、いわゆるケアマネ試験の受験要件に年齢の条件は含まれていないためです。50代でも60代でも、条件を満たせば受験できます。

ただし、誰でもすぐに受験できるわけではありません。ケアマネ試験は「保健・医療・福祉に関する法定資格に基づく業務」または「一定の相談援助業務」に、通算5年以上かつ900日以上従事していることが受験の条件です。つまり年齢制限はない代わりに、実質的な時間の制限があります。

あなたの「未経験」はどちらのタイプですか

ここが最初の分かれ道です。同じ「未経験」でも、必要な年数はまったく違います。

タイプ 今の状態 受験までの目安
タイプA
完全未経験
介護・医療・福祉の資格がなく、実務経験もない。異業種からの転身を検討している おおむね
8〜9年
タイプB
有資格・実務未経験
介護福祉士、看護師、社会福祉士などを持ち、その資格に基づく業務経験がある。ケアマネ業務だけが未経験 すでに要件を満たしていれば
次の試験から
見落としやすいポイント

タイプBの方は「実務経験5年」をすでに満たしている可能性が高く、思っているより近い場所にゴールがあります。まずは自分の資格登録日と、その資格に基づく業務に従事した日数を数えることから始めてください。

ケアマネ試験の受験資格を、いちばんシンプルに整理する

ケアマネ試験の受験資格である5年以上・900日以上の要件を整理するイメージ

要件は「5年以上かつ900日以上」の一本道

受験資格は次のいずれかを満たすことです。

  • 保健・医療・福祉に関する法定資格に基づく業務に、通算5年以上かつ900日以上従事した
  • 一定の相談援助業務に、通算5年以上かつ900日以上従事した

ここでいう法定資格には、介護福祉士、看護師・准看護師、社会福祉士、精神保健福祉士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、栄養士(管理栄養士を含む)、歯科衛生士、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師、柔道整復師、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師などが含まれます。異業種で長く働いてきた方でも、過去にこれらの資格で働いた期間があるなら通算できる可能性があります。

もう一つの「相談援助業務」ルートは、生活相談員や支援相談員など、指定された施設で指定された職種に就いていた期間が対象です。ただし対象となる施設・職種は細かく限定されているため、自己判断は禁物です。受験する都道府県が配布する「受験の手引」で必ず確認してください。

900日という数字の意味

5年間在籍していても、実際に業務に従事した日数が900日に届かなければ受験できません。週3日勤務のような働き方の場合、5年で900日に達しない可能性があります。パート勤務を考えている方は、日数計算を早い段階で意識しておくと安心です。

試験の難易度はどのくらいか

厚生労働省が公表した第28回(令和7年度)試験の実施状況によると、受験者50,601人に対し合格者は12,961人、合格率は25.6%でした。近年の推移は次のとおりです。

回(年度) 受験者数 合格者数 合格率
第24回(令和3年度)54,290人12,662人23.3%
第25回(令和4年度)54,406人10,328人19.0%
第26回(令和5年度)56,494人11,844人21.0%
第27回(令和6年度)53,699人17,228人32.1%
第28回(令和7年度)50,601人12,961人25.6%

出典:厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」

合格率は年度によって10ポイント以上動きます。狭き門であることは確かですが、受験資格を得るまでの5年間で介護保険制度に日常的に触れているかどうかが、そのまま試験対策の下地になります。

また第28回の合格者を保有資格別に見ると、介護福祉士が64.1%と最多で、看護師・准看護師が16.2%、社会福祉士が6.6%と続きます。多くの人が介護現場から積み上げて到達している資格だと分かります。

合格しただけでは働けない点に注意

試験に合格した後、介護支援専門員実務研修を修了して都道府県に登録し、介護支援専門員証の交付を受けて初めてケアマネとして働けます。実務研修は87時間の講義・演習に加えて、居宅介護支援事業所での実習があります。東京都の場合は原則3日間の実習が組まれ、研修期間は数か月にわたります。

試験が10月、実務研修が翌年にかけて実施されるため、受験から実際のデビューまで半年から1年程度を見込んでおくと計画が立てやすくなります。

完全未経験の50代がケアマネになるまでの逆算ロードマップ

完全未経験の50代がケアマネになるまでの逆算ロードマップのイメージ

タイプAの方が最も現実的に進める道は、介護福祉士を経由するルートです。全体像は次のようになります。

ステップの全体像

段階 やること 目安期間
1介護職員初任者研修を修了し、介護職として就職する(130時間程度のカリキュラム)数か月
2介護現場で働きながら、介護福祉士実務者研修を修了する(全450時間。初任者研修修了者は130時間免除され320時間)3〜6か月
3従業期間3年(1,095日)以上かつ従事日数540日以上を満たす3年
4介護福祉士国家試験に合格し、登録する約1年
5介護福祉士として、資格に基づく業務に5年以上かつ900日以上従事する5年
6ケアマネ試験に合格し、実務研修を修了して登録する約1年

ステップ2はステップ3と並行して進められるため、全体ではおおむね8年から9年が目安になります。

年齢別に見た到達時期の目安

スタート年齢 介護福祉士 ケアマネ試験 実務デビュー
50歳53〜54歳58〜59歳59〜60歳
53歳56〜57歳61〜62歳62〜63歳
56歳59〜60歳64〜65歳65〜66歳

「60歳を過ぎてからのデビューでは遅いのでは」と感じるかもしれません。しかし後述するデータのとおり、ケアマネは60代の従事者が非常に多い職種です。むしろ、その年齢からが本番だと考えて差し支えありません。

期間を短くできる3つの可能性

  • 過去の資格を掘り起こす。若い頃に取得した准看護師、栄養士、歯科衛生士、あん摩マッサージ指圧師などの資格があれば、その資格に基づく業務期間が5年900日ルールに使えます。ブランクがあっても資格自体は有効です。
  • 相談援助業務ルートを検討する。生活相談員などの職に就ければ、介護福祉士を経由せずに5年で受験資格に到達できる場合があります。対象職種・施設が限定されるため、求人票の職種名だけで判断せず、都道府県に確認してください。
  • 介護福祉士取得までの3年を無駄にしない。実務者研修は3年の実務経験と並行して修了できます。3年経ってから研修を始めると、その分だけゴールが遠のきます。

データで見ると、50代からのケアマネはむしろ「主流」です

ケアマネは50代が多く平均年齢も高いことをデータで示すイメージ

年齢を不安に感じている方にこそ知っておいてほしいのが、ケアマネという職種の年齢構成です。介護労働安定センターの令和7年度介護労働実態調査によると、介護支援専門員の平均年齢は55.1歳で、調査対象となった7職種のなかで最も高くなっています。介護労働者全体の平均年齢49.5歳と比べても5歳以上高い水準です。

34歳以下1.2%
35〜39歳3.5%
40代25.8%
50代33.0%
60〜64歳18.1%
65歳以上17.3%

出典:介護労働安定センター「令和7年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査」(無回答1.0%を除く)

50代が33.0%で最大の層。60歳以上を合わせると35.4%にのぼり、3人に1人以上が還暦を超えて現役です。

34歳以下はわずか1.2%しかいません。50代でこの職種に入っても「浮く」ことはまずないどころか、同世代が最も多い環境です。60代で入職しても先輩・同僚に同年代がいます。

離職率の低さと、働きやすさの評価

同じ調査では、介護支援専門員の離職率は9.5%で、訪問介護員(11.6%)や介護職員(12.7%)、看護職員(14.6%)より低く抑えられています。また居宅介護支援事業所で「定着率が低く困っている」と答えた事業所は7.7%にとどまり、全体の18.7%を大きく下回りました。

働く人自身の評価も高めです。「今の仕事や職場は働きやすい」と答えた介護支援専門員は70.8%で、これは調査対象職種のなかでも上位に入ります。「働きがいがある」は65.2%でした。腰を据えて長く続けやすい仕事だという実態が数字にも表れています。

収入の水準

賃金支払形態が月給の人の通常月の平均月収は、介護支援専門員で259,950円でした(賞与・残業代・休日出勤手当を除き、毎月決まって支給される手当を含む税込額)。介護労働者全体の平均254,951円をやや上回る水準です。年齢階層別では、55〜59歳が260,992円、60〜64歳が252,820円、65〜69歳が241,390円と、60代に入っても大きくは落ち込みません。

費用の目安と、負担を軽くする制度

ケアマネを目指す費用の目安と教育訓練給付などの支援制度のイメージ

50代からの挑戦では、時間とあわせてお金の見通しも重要です。ただし研修費用は実施機関によって幅があるため、必ず複数校で見積もりを取ってください。

項目 内容・目安
介護職員初任者研修130時間程度。スクールにより費用は異なる。多くが教育訓練給付の指定講座
実務者研修全450時間。初任者研修修了者は130時間免除され320時間。同じく給付対象講座が多い
介護福祉士国家試験年1回(筆記は例年1月)。受験手数料は公益財団法人社会福祉振興・試験センターの案内で確認
ケアマネ試験の受験手数料都道府県により異なる。2026年度は東京都12,400円、大阪府13,400円(別途振込手数料等)
介護支援専門員実務研修合格後に受講。都道府県により受講料が異なる。東京都では厚生労働大臣指定の教育訓練講座に指定されている

負担を抑える手段として、ハローワークの教育訓練給付制度が使えます。指定講座であれば受講費用の一部が支給されます。また多くの都道府県で介護福祉士等修学資金貸付制度などの支援策があり、条件を満たすと返還が免除される仕組みもあります。勤務先が資格取得支援制度を用意しているケースも珍しくないため、就職先を選ぶ際の判断材料に加えるとよいでしょう。

50代・未経験ならではの強みと、正直に知っておきたい壁

50代未経験からケアマネを目指す強みと乗り越えるべき壁のイメージ

この年齢だからこそ効く3つの強み

  • 家族と話せる。ケアマネの仕事は利用者本人だけでなく、その家族との調整が大きな比重を占めます。介護される親を持つ側の心情を実感として理解できる50代は、家族の言葉になっていない不安を拾いやすい立場にいます。
  • 異業種の経験が武器になる。ケアマネの中心業務は、医療・介護・地域資源をつなぐ調整です。営業、事務、接客、経理といった前職での折衝経験や書類処理の速さは、そのまま実務の質に直結します。
  • 長く働ける前提で設計できる。身体介護中心の仕事と比べて体力への依存度が低く、60代以降も継続しやすい職種です。実際に65歳以上が17.3%を占めています。

目をそらさずに知っておきたい壁

一方で、覚悟しておくべき点もあります。第一に、受験資格を得るまでの数年間は介護現場で働くことになり、身体的な負担が伴います。第二に、パソコン業務の比重が高い職種です。ケアプランの作成や記録は介護ソフトで行うのが一般的で、居宅介護支援事業所では74.0%がケア記録・ケアプラン等の入力機能を日常的に利用しています。文字入力に苦手意識がある方は、早い段階で慣れておくと後が楽になります。

第三に、覚える制度の量が多いことです。介護保険制度は3年ごとに見直され、報酬改定も定期的に行われます。資格を取って終わりではなく、学び続ける姿勢が前提の職業です。

なお、介護労働者全体が挙げた労働条件面の悩みでは「人手が足りない」が52.3%で最多、次いで「仕事内容のわりに賃金が低い」が38.1%でした。理想だけで飛び込まず、こうした現実も含めて職場を選ぶ視点が必要です。

2027年に向けた制度改正が、中高年の挑戦を後押しします

2027年に向けたケアマネ制度改正と更新制廃止のイメージ

50代からケアマネを目指す人にとって追い風になる制度変更が決まりました。2026年6月19日に「社会福祉法等の一部を改正する法律」が成立し、同月25日に公布されています(令和8年法律第51号)。

資格更新制が廃止されます

厚生労働省が公表した改正内容によると、介護支援専門員証の有効期間が廃止され、その交付や有効期間の更新を受けるために受講することとされていた研修も廃止されます。これまでは5年ごとに更新研修を受けなければ資格が失効する仕組みでしたが、この「期限切れ」という概念が基本的になくなります。

この部分の施行日は、公布日から起算して1年6か月を超えない範囲内で政令によって定められることになっており、2027年12月25日までに施行されます。

50代の挑戦にとって何が変わるか

更新のたびに数十時間の研修と費用が必要だった負担がなくなります。60歳前後で資格を取得した人が、その後の更新負担を理由に資格を手放すという事態を避けやすくなります。

ただし研修そのものは義務として残ります

更新制の廃止と引き換えに、資質の保持および向上のため、厚生労働省令で定める者を除く介護支援専門員は都道府県知事が行う研修を受けることが義務づけられます。正当な理由なく受講しない場合、都道府県知事が受講を命じることができ、その命令に従わないときは1年以内の期間を定めて業務を禁止できる規定も設けられました。事業者側にも、雇用する介護支援専門員が研修を受けられる機会を確保する措置が求められます。

あわせて、離職者が戻りやすくするための再研修の見直しも進められています。厚生労働省は既存の再研修を廃止したうえでカリキュラムをスリム化し、オンライン・オンデマンドで柔軟に受講できる「円滑な復職のための簡素な研修」とする方針を示しています。

現場の受け止め

この改正について、業界メディアや事業者向けの解説記事では、長年の時間的・経済的負担が軽減されることを歓迎する論調が目立ちます。日本介護支援専門員協会をはじめとする関係団体が以前から負担軽減を求めてきた経緯もあり、現場の要望に応えた形だという評価が多く見られます。一方で、研修義務化にともなう業務禁止規定を懸念する声や、学びの機会が実質的に減ることを心配する慎重な意見も同時に確認できます。

よくある質問

Q1. 60代からケアマネを目指すのは現実的ですか。

受験資格に年齢制限はないため、要件を満たせば何歳でも受験できます。すでに介護福祉士や看護師などの資格で5年以上の実務経験がある方なら、60代からの挑戦は十分に現実的です。実際、介護支援専門員のうち60歳以上は35.4%を占めています。ただし完全未経験から始める場合は8年前後かかるため、その年数を働ける前提で計画できるかどうかを冷静に判断してください。

Q2. 資格を取ってすぐ働かない場合、資格は失効しますか。

2026年時点の制度では、介護支援専門員証には5年の有効期間があり、更新研修を受けなければ失効します。ただし2026年6月に成立した改正介護保険法により有効期間そのものが廃止され、2027年12月25日までに施行されます。施行後は、更新研修を受けないと直ちに資格を失うルールはなくなります。詳細な取り扱いは今後の政省令で示されるため、都道府県の案内を確認してください。

Q3. ケアマネ実務が未経験でも採用されますか。

採否は事業所ごとの事情によりますが、事業所調査では介護支援専門員について「不足している」と回答した事業所が37.0%あり、前年度より上昇しています。また介護支援専門員の54.1%は直前の仕事が介護関係で、現場から移ってくる人が多数派です。未経験者を受け入れる素地はある一方、指導体制は事業所によって差があります。面接時に、独り立ちまでの同行期間や相談できる先輩の有無を必ず確認してください。

Q4. 居宅介護支援事業所と施設、未経験ならどちらが向いていますか。

一概には言えませんが、判断材料として、居宅介護支援事業所は「定着率が低く困っている」と答えた割合が7.7%と全サービス種別のなかで最も低く、「採用した従業員を人数・質ともに確保できている」も43.5%と高い水準でした。一方、施設のケアマネは同じ建物内に多職種がいるため相談しやすい環境になりやすいという特徴があります。求人の条件だけでなく、担当件数や先輩ケアマネの人数を比較して選ぶことをおすすめします。

Q5. 介護職として働かずにケアマネになる方法はありますか。

相談援助業務のルートがあります。指定された施設の生活相談員や支援相談員などとして通算5年以上かつ900日以上従事すれば、介護福祉士を経由せずに受験資格を得られます。ただし対象となる施設と職種は法令で細かく定められており、求人票の職種名が「相談員」であっても該当しない場合があります。就職を決める前に、勤務予定先が対象になるかを都道府県の担当窓口に確認してください。

まとめ

  • ケアマネ試験に年齢制限はありません。50代・未経験からでも目指せます
  • ただし「5年以上かつ900日以上」の実務経験が必要で、完全未経験からは8〜9年が目安です
  • 介護福祉士や看護師などの資格ですでに5年働いている方は、次の試験から受験できる可能性があります
  • 介護支援専門員の平均年齢は55.1歳。50代が33.0%、60歳以上が35.4%を占める中高年中心の職種です
  • 離職率9.5%と定着しやすく、「働きやすい」と答えた人は70.8%でした
  • 月給者の平均月収は259,950円。60代に入っても大きくは下がりません
  • 初任者研修・実務者研修・実務研修の多くは教育訓練給付の対象です。都道府県の貸付制度もあわせて確認してください
  • 2026年6月に成立した改正介護保険法で資格の更新制が廃止され、2027年12月25日までに施行されます。長く続けるうえでの負担が軽くなります

この資格でいちばん重いのは、試験そのものよりも受験資格に届くまでの時間です。逆に言えば、その年数を働き続けられる環境さえ確保できれば、道筋自体は明確です。まずは自分がタイプAとタイプBのどちらなのかを確認し、過去に取得した資格や職歴のなかに使えるものがないかを洗い出すところから始めてみてください。

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