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- 定年や配偶者との死別のあと、気軽にお茶を飲んで話せる相手がいなくなった
- 一人暮らしの親が、誰とも話さずに一日を終えているようで心配
- 茶飲み友達はほしいけれど、どこで、どうやって見つければよいかわからない
- 「茶飲み友達紹介」の広告やSNSでの出会いが、安全なのか気になる
年齢を重ねると、仕事や子育てを通じたつながりが少しずつ減り、「ちょっとお茶でも」と誘える相手がいなくなることは珍しくありません。この記事では、高齢者が茶飲み友達を見つけやすい場所と、仲良くなるためのコツ、家族ができるサポート、そして出会いの場で気をつけたいトラブルまでを、公的なデータをもとに整理します。
※統計・制度の内容は2026年10月時点で公表されている資料に基づいています。
高齢者にとって茶飲み友達はなぜ大切?データで見る今の状況
茶飲み友達とは、お茶を飲みながら気軽に世間話ができる友人のことです。特別な用事がなくても会える相手がいることは、毎日の張り合いにつながります。一方で、そうした相手がいない高齢者は少なくありません。
65歳以上の約6人に1人は「親しい友人がいない」
内閣府が65歳以上の男女を対象に行った調査では、親しくしている友人・仲間の数について、次のような結果が出ています。
| 親しい友人・仲間 | 割合 |
|---|---|
| たくさんいる | 7.8% |
| 普通にいる | 39.0% |
| 少しいる | 36.0% |
| ほとんどいない | 12.6% |
| 全くいない | 3.5% |
出典:内閣府「令和5年度 高齢社会対策総合調査(高齢者の住宅と生活環境に関する調査)」
「ほとんどいない」と「全くいない」を合わせると16.1%で、およそ6人に1人にあたります。令和6年版高齢社会白書では、5年前の前回調査と比べて「たくさんいる」「普通にいる」と答えた人の割合が大きく下がったことも指摘されています。
一人暮らしでは「人と話す機会」そのものが少ない
同じ調査で、同居家族を含めて人と話す頻度を聞いたところ、「毎日」と答えた人は全体で72.5%でした。ところが、同居している人がいない場合は、「1週間に1回未満・ほとんど話をしない」が14.7%にのぼります。一人暮らしの方にとって、茶飲み友達は「話す機会」をつくってくれる大切な存在です。
人との交流が少ないと健康にも影響しやすい
日本の高齢者を10年間追跡した研究では、同居家族以外の人(別居の家族・親族・友人)と会ったり連絡を取ったりする頻度が月1回未満の人は、毎日のように交流がある人に比べて、次のような結果になりやすいことがわかりました。
- 要介護2以上になりやすさ:約1.37倍
- 認知症になりやすさ:約1.45倍
- 早く亡くなりやすさ:約1.34倍
出典:斉藤雅茂ほか「健康指標との関連からみた高齢者の社会的孤立基準の検討」日本公衆衛生雑誌(2015年)
同じ研究では、交流が週1回以上ある人では、こうしたリスクとのはっきりした関連は見られませんでした。たくさんの友達をつくる必要はありません。週に1回、お茶を飲みながら話せる相手がいることが、ひとつの目安になります。
高齢者が茶飲み友達を見つけやすい場所7選
茶飲み友達は、「友達をつくる場」よりも「同じ人と何度も顔を合わせる場」で自然にできることが多いものです。代表的な場所を比べてみましょう。
| 場所 | 特徴 | 探し方 |
|---|---|---|
| 通いの場 | 住民が運営する体操や茶話会の集まり。近所で月1回以上開かれ、参加費も少額のところが多い | 市区町村の介護予防担当課、地域包括支援センター |
| ふれあい・いきいきサロン | 社会福祉協議会が支援する、住民とボランティアによる仲間づくりの集まり。お茶とおしゃべりが中心のものも多い | 市区町村の社会福祉協議会、民生委員 |
| 老人クラブ | おおむね60歳以上の地域の会。グラウンドゴルフ、旅行、清掃活動などを通じて顔なじみができる | 自治会、市区町村の高齢者福祉担当課 |
| 公民館・生涯学習講座 | 書道、俳句、歌、パソコンなど。共通の話題があるので会話が続きやすい | 市区町村の広報誌、公民館の掲示板 |
| シルバー人材センター | 原則60歳以上が会員になり、地域の仕事を請け負う。仕事仲間が茶飲み友達になることも | 各市区町村のシルバー人材センター |
| ボランティア活動 | 見守り、子ども食堂、図書館の読み聞かせなど。「役に立てる」実感があり、男性も参加しやすい | 社会福祉協議会のボランティアセンター |
| デイサービスなど | 要介護・要支援の認定を受けている人向け。毎回同じ曜日に通うため、顔なじみができやすい | 担当のケアマネジャー、地域包括支援センター |
まず知っておきたい「通いの場」とサロン
通いの場は、介護予防のために国が広げている住民主体の集まりです。厚生労働省の調査では、令和6年度の時点で全国に約16万3千か所あります。活動内容は体操、趣味活動、茶話会が多く、まさに茶飲み友達ができやすい場所です。
社会福祉協議会が支援する「ふれあい・いきいきサロン」も、地域の集会所などでお茶を飲みながら過ごす集まりが中心です。どちらも地域によって名前が違うため、「近くでお茶を飲みながら話せる集まりはありますか」と聞くと見つけやすくなります。
趣味や役割がある場は会話が続きやすい
初対面の人と何を話せばよいか不安な方は、公民館の講座やボランティアなど「やること」がある場から始めるのがおすすめです。共通の話題があると、自然に会話が生まれます。趣味がなかなか見つからない方は、高齢者に趣味がないとどうなる?研究データで見る5つの変化もあわせて読んでみてください。
迷ったら地域包括支援センターに聞く
地域包括支援センターは、高齢者の暮らしに関する総合相談窓口で、相談は無料です。介護が必要かどうかに関係なく、「近所で参加できる集まりを知りたい」という相談にも応じてもらえます。本人だけでなく、離れて暮らす家族からの相談もできます。
茶飲み友達をつくるコツ|初対面でも話しやすくなる5つのこと
場所を見つけても、最初の一歩がいちばん緊張するものです。次のような順番で、少しずつ距離を縮めていきましょう。
- 同じ場所に3回は通ってみる
1回目は様子見で十分です。何度か顔を合わせるうちに、相手も「また会いましたね」と声をかけやすくなります。 - あいさつと名前を覚えることから始める
「こんにちは」「〇〇さん、今日も来られたんですね」と名前を呼ぶだけで、ぐっと親しみがわきます。 - 天気や季節の話題で話しかける
「今日は冷えますね」「庭の柿がなりましたよ」など、誰でも答えやすい話題が入り口になります。 - 話すより「聞く」を意識する
相手の話に「それでどうなったんですか」と興味を持って聞くと、また話したいと思ってもらえます。 - 「今度お茶でも」と小さく誘う
集まりの帰りに「少しお茶して帰りませんか」と、短い時間から誘ってみましょう。
最初から気の合う相手が見つかるとは限りません。合わないと感じたら、別の集まりを試してもかまいません。「ここでなければ」と思い詰めないことが、長く続けるコツです。
話題に困ったときの例
- 地元の昔話(商店街、学校、お祭りの思い出など)
- 料理や家庭菜園、季節の食べもの
- テレビ番組、相撲や野球などのスポーツ
- 孫やペットの話(自慢ばかりにならない程度に)
反対に、お金や病気の詳しい話、政治や宗教の話は、親しくなるまでは控えたほうが無難です。
男性・一人暮らし・外出が難しい人はどうする?状況別の探し方
男性の場合|「目的のある集まり」から入る
男性は、仕事中心の生活から退職したあと、地域に知り合いがいないと感じる方が多い傾向があります。おしゃべりが目的の集まりに抵抗があるときは、囲碁・将棋、グラウンドゴルフ、そば打ち、シルバー人材センターでの仕事など、「やること」がはっきりした場を選ぶと参加しやすくなります。作業をしながら交わす何気ない会話から、茶飲み友達が生まれることもよくあります。
一人暮らしの場合|「決まった曜日の予定」をつくる
一人暮らしでは、意識しないと誰とも話さない日が続いてしまいます。毎週同じ曜日に開かれる体操教室やサロンなど、生活の中に「決まった予定」を1つ入れることから始めてみましょう。顔を見せないと「どうしたのかな」と気にかけてもらえるので、見守りの役割も果たします。
外出が難しい場合|電話やオンライン、訪問の力を借りる
足腰の不安などで外出が難しい方は、電話で話せる相手を持つことも立派な茶飲み友達です。地域によっては、スマートフォンのビデオ通話で参加できるサロンや、自治体・社会福祉協議会による電話での見守り・傾聴の活動もあるので、地域包括支援センターに聞いてみましょう。電話が使いにくい場合は、高齢者の携帯電話は通話のみで簡単に!おすすめ機種と選び方も参考にしてください。
なお、介護保険の訪問介護では、話し相手だけを目的としたサービスは対象外とされています。外出の付き添いなど介護保険でカバーしきれない支援は、保険外(自費)のサービスで相談できる場合があります。くわしくは自費訪問介護を受けようと思われている方へをご覧ください。
家族ができるサポート|無理に勧めないことが大切
親に茶飲み友達がいないと心配になり、つい「どこかに行ったら」と言いたくなるかもしれません。しかし、強く勧められるほど、本人は「自分は寂しい人だと思われている」と感じて気が重くなりがちです。
声かけの言い換え例
| 避けたい言い方 | 言い換えの例 |
|---|---|
| 家にばかりいないで、友達でもつくったら? | 近くで体操の会があるみたい。一回だけ一緒にのぞいてみない? |
| ボケ防止に人と話したほうがいいよ | お母さんの漬物の話、ほかの人もきっと聞きたがると思うよ |
| 寂しくないの? | 最近、誰かとお茶したりした?楽しかったことあった? |
家族にできる具体的なこと
- 広報誌や地域包括支援センターで、近くの集まりの情報を調べて渡す
- 最初の1回だけ、一緒に参加したり送り迎えをしたりする
- 本人の得意なこと(料理、手芸、昔の仕事の知識など)を活かせる場を探す
- 帰省や電話のときに「最近どんな人と話した?」と気軽に聞く
もともと一人の時間を好む方もいます。大事なのは友達の数ではなく、本人が困ったときに頼れる人や、話したいときに話せる相手がいるかどうかです。本人のペースを尊重しながら、選べる場所を増やしておく、くらいの気持ちで見守りましょう。
茶飲み友達紹介やSNSでの出会いで注意したいこと
新聞やチラシ、インターネットには、「茶飲み友達紹介」「シニアの交際相手紹介」といった広告も見られます。誠実に運営されているサービスもありますが、高齢者の孤独につけ込むトラブルもあるため、注意が必要です。
孤独につけ込む手口が増えている
消費生活センターなどは、悪質な業者が高齢者の「お金」「健康」「孤独」の不安につけ込んでくると注意を呼びかけています。また、SNSやマッチングアプリで知り合った相手が恋愛感情や親しみを装ってお金をだまし取る「SNS型ロマンス詐欺」は、警察庁の暫定値で令和7年の1年間に5,604件、被害額は約552億円にのぼりました。
こんなときは要注意
- 入会金や紹介料が高額で、その場での契約を急がされる
- 会ったことのない相手と、メッセージだけで急に親しくなる
- 「病気の治療費」「投資でもうかる」などの話とともにお金の話が出てくる
- 相手から「家族には内緒にしてほしい」と言われる
- 暗号資産(仮想通貨)や電子マネーでの支払いを求められる
契約や支払いで困ったときは、消費者ホットライン「188(いやや)」に電話すると、近くの消費生活センターにつながります。詐欺の疑いがあるときは、警察相談専用電話「#9110」または最寄りの警察署に相談してください。本人だけでなく、家族からの相談もできます。
親に異性の茶飲み友達ができたら
親に異性の茶飲み友達ができると、戸惑う家族もいるかもしれません。しかし、何歳になっても人を大切に思う気持ちは自然なことで、生活に張りが出るきっかけにもなります。頭ごなしに反対するのではなく、まずは「どんな方なの?」と関心を持って話を聞いてみましょう。お金の貸し借りが始まったときや、話の内容に不自然な点があるときだけは、早めに上の相談先に相談してください。
よくある質問
まとめ
高齢者が茶飲み友達を見つけるために押さえておきたいポイントを整理します。
- 65歳以上の約6人に1人は、親しい友人が「ほとんど・全くいない」と答えています
- 同居家族以外との交流が少ない人ほど、要介護や認知症になりやすい傾向があり、週1回程度の交流がひとつの目安です
- 通いの場、サロン、老人クラブ、公民館の講座、ボランティアなど、同じ人と何度も会える場が茶飲み友達をつくる近道です
- 探し方に迷ったら、地域包括支援センターや社会福祉協議会に相談できます
- 家族は無理に勧めず、情報を渡したり最初の1回に付き添ったりする形で後押ししましょう
- 紹介サービスやSNSでの出会いでは、お金の話が出たら要注意です。困ったら「188」や「#9110」に相談してください
茶飲み友達は、探そうと身構えるよりも、近所の集まりに何度か顔を出すうちに自然とできていくものです。まずは今月、地域の広報誌を開いて、気になる集まりをひとつ見つけるところから始めてみてください。
訪問介護しんらい 
