高齢者に聞き取りやすい着信音の選び方|スマホ・固定電話の設定と光で知らせる工夫

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こんな疑問を持つ方へ
  • 親に電話をかけても、着信に気づいてもらえないことが増えた
  • 高齢者にとって聞き取りやすい着信音はどんな音なのか知りたい
  • スマホやらくらくホン、固定電話でできる設定を知りたい
  • 音以外で着信に気づける方法や、相談先も知っておきたい

何度電話を鳴らしても親が出ないと、「何かあったのでは」と心配になりますよね。実は、本人は家にいて元気なのに、着信音そのものが聞こえていないことがよくあります。この記事では、高齢者に聞き取りやすい着信音の選び方、スマホ・らくらくホン・固定電話の設定、光や振動で知らせる工夫、補聴器との組み合わせ、受診や相談の目安までを、家族目線でやさしく解説します。

※スマートフォンの設定方法は2026年10月時点の情報に基づいています。画面の名前や手順は、機種やOSのバージョンによって異なります。

高齢者が着信音を聞き取りにくい理由|聞き取りやすい着信音を選ぶ前に

聞き取りやすい着信音を選ぶには、まず「なぜ聞こえにくいのか」を知っておくと近道です。原因によって、効果のある対策が変わります。

加齢性難聴で「高い音」から聞こえにくくなる

年齢とともに少しずつ進む聞こえの低下を「加齢性難聴」といいます。厚生労働省によると、聴力は一般に40歳代から下がり始め、65歳を超えると聞こえにくさを感じる人が急に増え、75歳以上では約半数が聞こえにくさを感じているともいわれています。

加齢性難聴は、一般的に高い音から聞こえにくくなるのが特徴です。会話はまだ聞き取れていても、電話の呼び出し音や玄関のチャイムのような電子音にだけ気づきにくくなることがあります。スマホの初期設定の着信音には、高めの音が使われていることも少なくありません。

音量や置き場所、生活音の影響

着信音量が小さいまま、マナーモードのまま、という単純な原因もよくあります。また、スマホをかばんの中や別の部屋に置いている、テレビの音が大きいといった環境では、耳に問題がなくても着信音が埋もれてしまいます。

聞こえていても「何の音か分からない」こともある

最近替えたスマホの着信音に慣れておらず、鳴っていても自分の電話だと気づかないこともあります。長く使ってきた固定電話の「ジリリリ」という音には反応できるのに、スマホの音楽のような着信音には反応できない、というのはよくある話です。

ワンポイント
原因を見分けるには、家族がそばにいるときに電話をかけてみるのがいちばんです。「鳴ったことにまったく気づかない」のか、「気づいているけれど何の音か分からない」のか、「聞こえたけれど電話まで間に合わない」のかで、選ぶ対策が変わります。

高齢者に聞き取りやすい着信音の選び方|音の高さ・リズム・音量

聞き取りやすさには個人差があるため、「この音が正解」というものはありません。ただ、選ぶときに意識したいポイントはあります。

選ぶときの4つのポイント

ポイント 選び方の目安
音の高さ 高い電子音より、低め〜中くらいの高さの音のほうが気づきやすいことがある
リズム 静かに始まる曲より、最初からはっきり鳴る音、「プルル」と区切りのある音が目立ちやすい
なじみ 昔の黒電話のようなベル音など、本人が「電話の音」と分かる音を選ぶ
音量 着信音量は最大か、それに近い大きさに。マナーモードの解除も確認する

実際に「聞き比べ」をして決める

いちばん確実なのは、本人がふだん過ごしている部屋で、候補の着信音を順番に鳴らして聞いてもらうことです。テレビをつけたまま、台所で水を流しながらなど、実際の生活に近い状態で試すと、本当に気づける音が見つかります。

  1. 候補を3〜4つに絞る
    ベル音、低めの電子音、リズムのはっきりした音などを選びます。
  2. いつもの場所で鳴らす
    家族が別の部屋から電話をかけ、本人がいつもの場所で気づけるか試します。
  3. 気づけた音を設定する
    本人が「これなら分かる」と言った音に決めます。
  4. 家族の番号だけ別の音にする
    連絡先ごとに着信音を変えられる機種なら、家族からの電話だけ特に目立つ音にするのも一つの方法です。

着信音を変えたら、本人に覚えてもらう

新しい着信音にしたら、何回か一緒に鳴らして「この音が鳴ったら電話だよ」と確認しておきましょう。変えたことを忘れてしまう方もいるので、電話の近くにメモを貼っておくと安心です。

スマホ・らくらくホンで聞き取りやすい着信にする設定

スマートフォンや、高齢者向けのらくらくホンには、着信に気づきやすくする機能がいくつも用意されています。家族が帰省したときなどに、一緒に設定を見直してみてください。

まず確認したい基本の設定

  • 着信音量:「設定」の「サウンド」や「音」から、着信音の音量を最大近くまで上げます
  • マナーモード・おやすみモード:知らないうちにオンになっていないか確認します
  • バイブレーション:着信時に振動もするように設定しておくと、ポケットに入れているときに気づきやすくなります
  • 着信音の長さ:留守番電話に切りかわるまでの時間を長めにできる場合は、電話まで移動する時間を確保できます(設定方法は契約している携帯電話会社によって異なります)

らくらくホンの「でか着信音」

ドコモから2025年8月に発売された「らくらくホン F-41F」には、着信に気づきやすくなる「でか着信音」が搭載されています。メーカーの案内によると、この機能はあらかじめ設定が必要です。購入しただけでは働かないこともあるので、店頭で設定してもらうか、家族が一緒に確認してあげてください。ほかの高齢者向けの機種でも、着信音を大きくする機能や、聞き取りやすい音に切りかえる機能が用意されていることがあります。

機種選びから見直すときは

いま使っている機種で十分な音量にならない場合は、買いかえも選択肢になります。通話中心で使う方の機種の選び方は高齢者の携帯電話は通話のみで簡単に!おすすめ機種と選び方、毎月の料金をおさえたいときは高齢者の携帯電話を通話のみで安く使うには|月額の目安と節約のコツも参考にしてください。

ワンポイント
設定を変えたら、その場で家族が電話をかけて確認しておきましょう。また、本人が自分で設定を戻してしまうこともあるので、帰省や訪問のたびに「着信音量」と「マナーモード」だけはチェックする習慣をつけておくと安心です。

音以外でも気づける|光・振動で着信を知らせる工夫

着信音を聞き取りやすくしても、聞こえ方によっては限界があります。そんなときは、目や体で気づける仕組みを組み合わせると、聞き逃しをぐっと減らせます。

Androidスマホの「点滅による通知」

Googleの案内によると、Androidスマホでは、着信時にカメラのライトや画面を点滅させて知らせる設定ができます。「設定」の「通知」(または「ユーザー補助」)から「点滅による通知」を開き、「カメラの点滅」または「画面の点滅」をオンにします。着信のときは、電話に出るまで点滅が続きます。カメラの点滅は一部の機種では使えないため、お使いのスマホで確認してください。

iPhoneの「フラッシュ通知」

iPhoneでも、「設定」の「アクセシビリティ」から「オーディオとビジュアル」に進み、「フラッシュ通知」をオンにすると、着信を背面のライトの点滅で知らせることができます。2025年12月に配信されたiOS 26.2からは、画面を点滅させる方法も選べるようになっています。古いバージョンでは名称が「LEDフラッシュ通知」となっていることもあります。

※点滅する光が苦手な方や、光に敏感な方は、使う前に医師に相談するなど慎重に判断してください。

スマートウォッチや身につける機器の振動

スマホと連動するスマートウォッチを手首に着けておくと、着信を振動で知らせてくれます。家の中でスマホを置きっぱなしにしがちな方には便利な方法です。ただし、充電や操作が負担になる方もいるので、本人が無理なく使えるかを考えて選びましょう。

固定電話の着信を聞き取りやすくするには|音量・置き場所・子機

家族からの連絡は固定電話、という家庭もまだまだ多いですよね。固定電話も、ちょっとした見直しで着信に気づきやすくなります。

着信音量と着信音の種類を見直す

多くの固定電話には、着信音量や着信音の種類を切りかえる機能があります。取扱説明書を確認し、音量を最大にして、本人が聞き取りやすい音を選びましょう。着信時にランプが光る機種なら、ランプが目に入りやすい場所に置くのもおすすめです。

よくいる部屋に子機を置く

電話機が玄関や廊下にあり、本人は奥の居間や寝室にいる、という家ではそもそも音が届きません。子機を増やして、居間や寝室など長く過ごす場所に置くと、着信に気づける場面が増えます。電話まで歩く距離が短くなるので、急いで移動して転ぶ心配も減らせます。

聞こえにくさに配慮した電話機も

受話音量を大きくできる電話機や、着信をランプや大きな音で知らせる電話機など、聞こえにくい方向けの製品もあります。聴覚障害で身体障害者手帳を持っている場合は、市区町村の日常生活用具の給付で、音を光などで知らせる「屋内信号装置」などを受けられることがあります。対象となる用具や要件は自治体によって異なるため、障害福祉の窓口で確認してください。

伝え方の例
「この前、電話が鳴っているのに気づかなかったみたいで、すごく心配したよ。寝室にも電話を置いておけば、わざわざ廊下まで行かなくていいから楽になると思うんだけど、どうかな?」
「聞こえていない」と指摘するより、本人が楽になるという提案にすると受け入れてもらいやすくなります。

補聴器を使っている場合の着信対策

補聴器を使っていても、着信に気づけないことはあります。補聴器ならではのポイントも押さえておきましょう。

外している時間帯の対策が大切

補聴器は、入浴中や寝ているとき、家でくつろいでいるときには外していることが多いものです。その時間帯は聞こえにくさがそのまま残るため、光や振動で知らせる設定と組み合わせておくと安心です。

スマホと連携できる補聴器もある

機種によっては、補聴器とスマホを無線でつなぎ、着信音や通話の声を補聴器に直接届けられるものもあります。対応しているかどうかは補聴器とスマホの組み合わせによって違うので、購入した販売店や認定補聴器技能者に相談してみてください。

補聴器は購入前に耳鼻咽喉科へ

これから補聴器を検討する場合は、まず耳鼻咽喉科で聞こえの状態を調べてもらいましょう。厚生労働省は、購入前に補聴器相談医(補聴器が必要かどうかの判断や相談に応じる耳鼻咽喉科の医師)へ相談することをすすめています。また、店舗での購入や通信販売は基本的にクーリング・オフの対象にならないため、試聴や貸し出しができるお店で納得してから選ぶことが大切です。補聴器の助成制度については、高齢者にチャイムが聞こえないとき|原因・光るチャイム・家族ができる対策を解説でくわしく紹介しています。

着信に気づかないことが増えたら|聞こえのチェックと相談先

着信音の設定を見直しても気づかないことが続く場合は、聞こえそのものを確かめておきましょう。

家族で一緒にできるセルフチェック

滋賀県が紹介しているチェック項目をもとに、次の5つを確認してみてください。

  • 会話の途中で、聞き返すことがよくある
  • 聞き取れなかったとき、推測で返事をすることがある
  • 電子レンジの「チン」という音や、ドアのチャイムの音が聞こえにくい
  • 家族から「テレビやラジオの音が大きい」とよく言われる
  • 人が多い場所や騒がしい場所では、相手の声が聞き取りにくい

出典:滋賀県「高齢者の聞こえについて」をもとに作成

1つでも当てはまる場合は、耳鼻咽喉科に相談してみましょう。耳あかの詰まりなど、治療で改善できる原因が見つかることもあります。

電話に出ない理由は「聞こえ」だけとは限らない

着信に気づいているのに出ない、鳴ったことを忘れてしまうといった様子が続く場合は、体調や気持ちの変化、もの忘れなどが関わっていることもあります。原因ごとの対策は高齢者が電話に出ない?原因と対策方法でもまとめています。気になる変化があるときは、かかりつけ医に相談してみてください。

連絡がとれないときのルールを決めておく

何度かけても出ないときに備えて、「〇回かけてつながらなければ、近所の方に様子を見てもらう」「ヘルパーさんの訪問日に確認してもらう」など、家族でルールを決めておくと慌てずに済みます。

大切なこと
離れて暮らす親と連絡がとれない不安は、家族だけで抱え込まなくて大丈夫です。お住まいの地域包括支援センターでは、高齢者の暮らしや見守りについて無料で相談できます。訪問介護などのサービスを使えば、定期的に誰かが様子を見に行く仕組みも作れます。

よくある質問

Q. 高齢者に一番聞き取りやすい着信音は何ですか?
A. 聞こえ方には個人差があるため、一つに決めることはできません。一般的には、高い電子音より低め〜中くらいの高さで、リズムがはっきりした音のほうが気づきやすいことがあります。本人がいつもいる部屋で何種類か鳴らし、実際に気づけた音を選ぶのがいちばん確実です。
Q. 着信音を最大にしても気づかないのはなぜですか?
A. 音の高さが本人の聞こえにくい音域にある、スマホを別の部屋やかばんに置いている、テレビの音で埋もれているなどが考えられます。音色の変更や置き場所の見直しに加え、光や振動で知らせる設定も組み合わせてみてください。それでも気づかない場合は耳鼻咽喉科での検査をおすすめします。
Q. 家族からの電話だけ目立つ着信音にできますか?
A. 多くのスマホでは、連絡先ごとに着信音を設定できます。家族の番号だけベル音にしておくと、「この音は家族からだ」と分かりやすくなります。設定方法は機種によって違うので、取扱説明書や携帯電話会社の案内で確認してください。
Q. フラッシュ通知は眩しくないですか?
A. 背面のライトはかなり強い光なので、スマホは画面を上にして置くか、目に直接入らない位置に置くとよいでしょう。画面の点滅で知らせる方法を選べる機種もあります。光に敏感な方は使う前に医師に相談してください。
Q. 設定を変えても、本人がすぐ元に戻してしまいます。
A. 「うるさい」と感じて音量を下げてしまうことはよくあります。本人と一緒に音を選ぶ、家族の番号だけ目立つ音にするなど、本人が納得できる形にするのがコツです。訪問のたびに着信音量とマナーモードを確認する習慣をつけておくと安心です。

まとめ

  • 高齢者が着信音を聞き取りにくい背景には、加齢性難聴(高い音から聞こえにくくなる)や置き場所、生活音などがある
  • 聞き取りやすい着信音は個人差が大きいので、本人がいつもいる部屋で聞き比べて選ぶ
  • スマホは着信音量・マナーモード・バイブレーションを確認し、らくらくホンなどの専用機能も活用する
  • Androidの「点滅による通知」やiPhoneの「フラッシュ通知」で、光でも着信に気づける
  • 固定電話は音量の見直しと、よくいる部屋への子機の設置が効果的
  • 補聴器を外している時間帯の対策も忘れずに。補聴器の購入前は耳鼻咽喉科へ
  • 気づかないことが続くときは聞こえのチェックを。不安なときは地域包括支援センターにも相談できる

電話に出てもらえないと心配になりますが、着信音や設定を少し変えるだけで、驚くほど気づけるようになることがあります。本人を責めるのではなく、「聞こえにくくても気づける仕組み」を一緒に作っていけば、家族も本人も安心して過ごせます。まずは次に会ったとき、本人がいつもいる部屋で着信音を聞き比べるところから始めてみてください。

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