高齢者のピアスは何歳まで?穴あけ前の注意点と介護・入院への備え

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こんな疑問を持つ方へ

  • 70代・80代からピアスを開けても大丈夫なのか知りたい
  • 血液をサラサラにする薬や持病があっても開けられるのか不安
  • 長年つけているピアスの穴が伸びてきた気がする
  • 親が介護施設に入ったとき、ピアスをどうすればよいか迷っている
  • 介護の仕事をしているが、ピアスをしてよいのか分からない

高齢者のピアスに年齢の上限はなく、何歳からでもおしゃれとして楽しめます。ただ、年齢を重ねた耳たぶや持病・服薬、そして将来の介護や入院まで考えると、若い頃とは少し違う気配りが必要です。本人・家族・介護職それぞれの立場で知っておきたいポイントを、順を追って整理しました。

高齢者のピアスは何歳でもOK?穴あけの基本ルール

高齢者のピアスは何歳でもOK?穴あけの基本ルール

ピアスの穴あけに年齢の上限はない

結論からいうと、ピアスの穴あけに「何歳まで」という決まりはありません。医師への相談サイトでは、70代で穴あけに訪れる方もいるというクリニックの回答があります。また、年齢を重ねてから初めて開ける人は珍しくない、とする医師の回答も見られます。

シニア世代がピアスを選ぶ理由として、とても現実的なものもあります。イヤリングは耳を挟むので長時間つけると痛くなりやすく、外出先で片方を落としてしまうことも少なくありません。70歳を目前にピアスを開けた女性が、高価なイヤリングを駅で落としたことを決め手に挙げている体験談もあります。

比較項目 ピアス イヤリング
耳への圧迫挟まないので痛みが出にくい長時間だと締め付けで痛くなりやすい
落としやすさキャッチが外れない限り落ちにくい外出中に落としやすい
始める手間穴あけと安定するまでの期間が必要すぐにつけられる
体への負担感染・アレルギー・耳の裂けのリスクがある皮膚に傷をつけない
入院・検査時外す必要があり、穴の管理も必要外すだけで済む

ピアスの穴あけは「医療行為」とされている

意外と知られていませんが、日本では耳に穴を開けてピアスを装着させる行為は、昭和47年の厚生省(当時)の見解にもとづき医療行為として扱われています。そのため、医師や看護師でない人が仕事としてピアスを開けることは医師法違反とされています。

自分で市販のピアッサーを使って開けることもできますが、医療機関では自分で開けた場合のトラブルが最も多いと指摘されています。高齢の方こそ、皮膚科や形成外科で開けることをおすすめします。

ワンポイント

医療機関で開ける大きなメリットは、持病や服薬を踏まえて「開けてよいか」を医師が判断してくれることです。万一化膿やかぶれが起きても、同じ場所ですぐに相談できるのも安心材料です。

開ける前に確認したい持病・服薬と体質

開ける前に確認したい持病・服薬と体質

慎重になるべき人のチェックリスト

年齢そのものは問題になりませんが、年齢とともに増える持病や服薬は穴あけに関係します。複数のクリニックが「慎重になるべき人」として挙げている項目を表にまとめました。

当てはまる状態 起こりうること
血液をサラサラにする薬(抗血栓薬)を飲んでいる穴あけの際に出血しやすい
出血が止まりにくい病気がある出血が長引くおそれがある
ケロイド体質(傷あとが赤く盛り上がる)ピアスケロイドと呼ばれるしこりができることがある
重度の金属アレルギーがあるアレルギー症状が悪化する可能性がある
糖尿病や免疫不全がある禁忌(施術を避ける対象)としているクリニックもある

とくに抗血栓薬は、心臓病や脳梗塞の予防のために飲んでいる高齢の方が多い薬です。自己判断で服薬を止めるのは危険なので、穴あけを希望する場合は、まず主治医とピアスを開けるクリニックの両方に相談してください。

ファーストピアスの期間とアフターケア

穴を開けた直後のピアスホールは、生傷と同じ状態です。最初に入れるピアス(ファーストピアス)は、しばらくつけたままにして穴を安定させます。期間の目安を6〜8週間ほどとしているクリニックもありますが、指示は医療機関ごとに異なるので、担当医の説明に従いましょう。

素材については、化学的に安定したチタン製がアレルギーを起こしにくいとされ、ファーストピアスに採用している医療機関が多くあります。

家族の方へ

手指の細かい動きが難しくなってくると、小さなキャッチの付け外しや毎日のケアが負担になります。穴を開ける前に「自分でケアを続けられるか」「手伝える人がいるか」を一緒に考えておくと安心です。

年齢を重ねた耳たぶを守るピアスの選び方

年齢を重ねた耳たぶを守るピアスの選び方

ピアス穴が伸びる・耳が裂ける「耳垂裂」に注意

長年ピアスを楽しんできた方に多い悩みが、ピアス穴が縦に伸びてしまうことです。さらに進むと、耳たぶが裂ける「耳垂裂(じすいれつ)」という状態になります。形成外科の解説によると、重さのあるリング状のピアスや飾りの多いぶら下げタイプを長く使い続けると、穴が少しずつ縁のほうへ広がり、やがて裂けてしまうことがあります。変化がゆっくりなので、本人は裂けて初めて気づくことが多いそうです。

もう一つ知っておきたいのが、急に裂けるケースです。ピアスが何かに引っかかり、その勢いで裂けるもので、セーターを脱ぐときによく起こるとされています。

また、引っ張られていなくても、ピアス穴がジクジクする、かゆみや赤みが続くといった状態があると、穴は伸びやすくなると指摘する皮膚科もあります。「ピアスによって調子がよい日と悪い日がある」という方は、素材が合っていない可能性があるので、一度皮膚科で相談してみましょう。

高齢者におすすめのピアスのデザイン

重さについては、片耳で2〜3gを超えると負担を感じやすく、長時間の常用には向かないという目安を示すピアス専門店もあります。デザイン別の特徴を比べてみましょう。

デザイン 耳への負担 向いている場面
小ぶりのスタッド(耳に密着するタイプ)小さい普段使い・長時間の着用
小さめのフープ中程度外出時。引っかかりに注意
揺れるぶら下げタイプ大きい特別な日の短時間だけ
長いチェーン・フック型大きい高齢者の常用には不向き

毎日の習慣で耳たぶを長持ちさせる

引っかかりの原因は、タオルで顔や髪を拭くとき、マスクのゴムを外すとき、髪がピアスに絡んだときなど、日常のささいな場面に潜んでいます。次の習慣を意識するだけでも、耳への負担はぐっと減らせます。

  • 家では軽いスタッドに付け替え、重いピアスは外出時だけにする
  • 寝るときは外す(寝返りの摩擦や引っかかりを防ぐ)
  • かぶりの服の脱ぎ着の前に、ピアスの位置を手で押さえる
  • 穴にかゆみや赤みが出たら、いったん使用をやめて様子を見る
プレゼント選びのヒント

敬老の日や誕生日に高齢の家族へピアスを贈るなら、見た目の華やかさより「軽さ」「素材」「キャッチの扱いやすさ」を優先すると、長く愛用してもらいやすくなります。

介護が必要になったら?利用者のピアスで気をつけたいこと

介護が必要になったら?利用者のピアスで気をつけたいこと

在宅介護・施設介護で起こりやすいトラブル

介護が必要になると、ピアスをめぐる状況は大きく変わります。着替え、入浴、移乗(ベッドから車いすへの移動など)の介助では、介護者の手や衣服が耳の近くを通る機会が増えます。

介護職のアクセサリーについては、落ちたピアスを認知症の方が誤って口にしてしまう危険が指摘されています。これは利用者本人のピアスにも同じことがいえます。キャッチが緩んで外れたピアスは、誤飲や紛失の原因になります。

場面 起こりうるトラブル 対策の例
着替え・整容服や髪が引っかかり耳が裂ける小ぶりのスタッドにする
寝たきり・横向き寝ピアスが耳に押し付けられて痛む就寝時は外す
認知症がある場合外れたピアスの誤飲・紛失キャッチの緩みを日々確認する
施設入居貴重品の紛失をめぐる行き違い持ち込みの可否と管理方法を事前に確認

「外す」だけが正解ではない

安全面だけを考えれば外すのが確実ですが、長年つけてきたピアスは、その人らしさや思い出の一部でもあります。一律に外すのではなく、本人の気持ち、身体の状態、施設のルールをすり合わせて決めることが大切です。

ライフステージごとに、ピアスとの付き合い方を整理してみました。

段階 考え方の目安
自分で付け外しできる軽いものを選び、自由におしゃれを楽しむ
付け外しに手助けが必要外出や行事の日だけつけるなど、つける場面を絞る
身体介護が中心になるスタッドのみにするか外すかを、本人・家族・介護者で相談
入院・検査・手術原則として外す(次の章で解説)

入院・MRI検査・手術ではピアスを外すのが基本

入院・MRI検査・手術ではピアスを外すのが基本

MRI検査で外さなければならない理由

高齢になると、脳や関節などのMRI検査を受ける機会が増えます。MRIは強い磁場と電波を使う検査で、金属製のアクセサリーをつけたままだと、発熱してやけどをする可能性や、画像がゆがんで正確な診断ができなくなるおそれがあります。

「金属でなければ大丈夫」と思われがちですが、樹脂製のピアスでも温度が上がって変形したり、やけどにつながったりする可能性があるとして、外すよう案内している医療機関もあります。金属アレルギーに対応したチタン製のピアスであっても、MRIでは外す必要があります。

手術や急変に備える意味もある

内視鏡検査や手術など、体調の急変が起こりうる処置では、急変時の対応をスムーズにするために、アクセサリー類をすべて外すよう求められます。入れ歯なども同じ扱いです。

いざというときの備え

救急搬送や急な入院では、本人がピアスを外せない状態のこともあります。家族や介護者が「どんなピアスをつけているか」「どう外すか」を知っておくと、病院でスムーズに対応できます。キャッチが固くて外しにくいピアスは、普段から扱いやすいものに替えておくと安心です。

介護職のピアスはOK?職場ルールと禁止される理由

介護職のピアスはOK?職場ルールと禁止される理由

法律ではなく「職場のルール」で決まる

介護職がピアスをつけることについて、法律で直接定めた規定はありません。実際には、各介護施設や医療機関が衛生管理や安全性、利用者への配慮から、服装やアクセサリーの内部規則を設けているケースが多くなっています。

そのため、ピアスの可否は職場によってまちまちです。女性の装いの文化として定着しているという考えから、ピアスを禁止していない事業所の例もあります。

施設の種類による傾向

施設の種類 ピアスの扱いの傾向
特別養護老人ホーム身体介護が多く、アクセサリーは原則禁止のところがほとんど
デイサービス小さなスタッドタイプなら認める施設もある
グループホーム制限されることが多いが、管理者の判断でOKとなる場合もある

ピアスが制限される主な理由

介護現場でピアスが制限される理由は、大きく3つに分けられます。

理由 具体的な内容
事故防止介助中に利用者が引っ張る、引っかかるなどで双方がけがをするおそれ
感染予防ピアスホールの炎症が、免疫力の落ちた高齢者への感染源になりうる
誤飲・紛失外れたピアスを認知症の方が口にしてしまう危険

とくに認知症の方の介護では、チェーンやフープなど目立つピアスが引っ張られやすく、ピアスホールが広がったり、最悪の場合は耳が裂けたりすることも考えられます。ルールは利用者だけでなく、働く人自身の身を守るためのものでもあります。就職や転職の際は、面接などでアクセサリーの規定を確認しておきましょう。

高齢者とピアスに関するよくある質問

Q. 80代でもピアスを開けられますか?

年齢の上限はありません。ただし、抗血栓薬の服用、糖尿病、ケロイド体質などがあると慎重な判断が必要です。穴あけ後のケアを続けられるかも含めて、まずは皮膚科や形成外科で相談してください。

Q. 老人ホームに入居してもピアスはつけられますか?

施設ごとに方針が異なります。身体介護が多い場合は、安全面から小ぶりのものへの変更や、外すことをすすめられることもあります。入居前に、持ち込みの可否と紛失時の扱いを確認しておきましょう。

Q. 透明ピアスや樹脂製ならMRI検査のときもつけたままでよいですか?

樹脂製でも温度が上がる可能性があり、外すよう案内する医療機関があります。検査前には外すのが基本です。どうしても外せない事情がある場合は、事前に検査を受ける医療機関へ相談してください。

Q. 伸びたピアス穴や裂けた耳たぶは治せますか?

形成外科で治療を受けられます。ピアスによる耳垂裂の手術は局所麻酔の日帰りで行われることが多く、所要時間は片耳30分から1時間程度とするクリニックもあります。先天性の耳垂裂とピアスが原因のものでは健康保険の扱いが異なる場合があるため、費用は受診先で確認しましょう。

Q. 介護職は透明ピアスなら許されますか?

目立ちにくい点で受け入れられやすい面はありますが、すべての施設で認められるわけではありません。勤務先の規定を必ず確認してください。

まとめ

  • 高齢者のピアスに年齢の上限はなく、70代以降に初めて開ける方もいます。
  • 穴あけは医療行為とされているため、持病や服薬を踏まえて判断してもらえる医療機関で開けるのが安心です。
  • 抗血栓薬の服用、ケロイド体質、重い金属アレルギー、糖尿病などがある場合は、主治医にも相談しましょう。
  • 耳たぶを守るには、軽いスタッドを中心に選び、寝るときは外す習慣が有効です。
  • 介護が必要になったら、本人の気持ちを尊重しながら、つける場面や種類を家族・介護者と相談して決めます。
  • MRI検査・手術・入院ではピアスを外すのが基本です。家族も外し方を知っておくと安心です。
  • 介護職のピアスは法律ではなく職場のルールで決まるため、勤務先の規定を確認することが大切です。

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