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ヘルパー1級は、1級というだけに、とても難しそうなイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ヘルパー1級の資格に対する難易度、資格取得のメリットや介護関連資格取得者による修履修科目などについて解説します。
ヘルパー1級とは、「ホームヘルパー1級」を略した名称のことで、正式名称は、訪問介護員養成1級研修となります。
そして、この研修を修了すると資格取得者となり、介護が必要な人の居宅を訪問し、身体介護や掃除、調理などの生活援助を行います。
その様なホームヘルパー1級は、2011年介護保険法改正の年の1月に出された「今後の介護人材養成の在り方に関する検討会報告書」で、【キャリアパス(経験やスキルアップの道筋)】【ホームヘルパー1級と介護職員基礎研修の両方が、実務者研修に一本化される】というイメージが示され、2013年、ホームヘルパー1級と介護職員基礎研修は「介護福祉士実務者研修」に変更されました。
実務者研修を終了するには、国から認定された養成スクールに「実務者研修」の申し込みをし、通学か自宅学習かを選択し、20科目(450時間)の科目を全て学習し、2回のスクーリングに参加し、医療的ケアによる痰の吸引と経管栄養の実技試験に合格する必要があります。
※取得している介護関係の資格によって履修科目が異なる
人間の尊厳と自立 | 5時間 |
社会の理解Ⅰ | 5時間 |
社会の理解Ⅱ | 30時間 |
介護の基本Ⅰ | 10時間 |
介護の基本Ⅱ | 20時間 |
コミュニケーション技術 | 20時間 |
生活支援技術Ⅰ | 20時間 |
生活支援技術Ⅱ | 30時間 |
介護過程Ⅰ | 20時間 |
介護過程Ⅱ | 25時間 |
介護過程Ⅲ(スクーリング) | 45時間 |
発達と老化の理解Ⅰ | 10時間 |
発達と老化の理解Ⅱ | 20時間 |
認知症の理解Ⅰ | 10時間 |
認知症の理解Ⅱ | 20時間 |
障害の理解Ⅰ | 10時間 |
障害の理解Ⅱ | 20時間 |
こころとからだのしくみⅠ | 20時間 |
こころとからだのしくみⅡ | 60時間 |
医療的ケア+演習(スクーリング) | 50時間 |
450時間+医療的ケアの演習時間 |
スクーリングの日程や振り替えの日程に合わせられず、授業に参加できないことがあります。
そうならないためにも、できるだけ早くからスクーリングの日程を把握し、その日の授業に参加できるよう調整をしましょう。それでも調整が難しい場合は、なるべく早くスクールに相談をするとよいでしょう。
また自宅学習では、思うように学習がはかどらず提出物が出せなかったりすることもあります。
例えば、はかどらない原因が仕事に関係する場合は、仕事先に相談したり、集中力が続かない場合は、「悩み」「ストレス」「睡眠の状態」「食事の状態」「資格を取る意味」など、原因を見付けて対処することもよいでしょう。
介護関連の資格を何も持っていない場合は、内容そのものを理解することが難しい傾向にあるため、介護に関する基本から学べる「介護職員初任者研修」を先に受けておくと内容を理解しやすくなります。
研修の最後には修了試験があり、これに受かる必要があります。
そして、試験内容は研修で学んだ全範囲から出題されるため、広範な知識の定着が求められます。
スクールによって出題の仕方や採点でのこだわりなど基準が異なりますが、決められた内容を学習し、必要に応じて提出物を提出し、ある程度の復習が行えていれば、ほぼ100%の人が合格可能となります。
もし修了試験に合格することができなかった場合でも、スクールごとの対策をクリアすれば合格となるため、事前に「試験に受からなかった場合について」の詳しい内容をスクールに確認しておくと安心のためにもよいでしょう。
介護福祉士実務者研修の資格を取得することで、これらのメリットがあります。
介護福祉士実務者研修を終了することで、介護の知識やスキル、経管栄養、喀痰吸引など、医療的ケアの知識が身に付くため、職場や利用者からの信頼度が上がりやすくなることに加え、資格手当などの給与アップも期待できます。
実際に、初任者研修修了者より実務者研修修了者、実務者研修修了者より介護福祉士の方が平均月給が高いことが報告されています。
これは、資格を持つ職員が専門的知識と技術を持っていると認められ、報酬として反映されるためです。
詳しくは、50代での介護転職のタイミングは?転職の不安に対する10の改善策!の、「転職の不安に対する10の改善策」で解説しています。
実務者研修を終了すると、訪問介護事業所でサービス提供責任者(サ責)になることが可能になります。
サービス提供責任者とは、利用者とサービスの契約をし、訪問介護でのニーズをアセスメントし、ケアマネージャー(介護支援専門員)の作成したケアプラン(居宅サービス計画)に基づいて訪問介護計画を作成するという役割があります。
また、利用者や利用者の家族、ケアマネージャー、ケアプランの中で必要とされる関係機関との連絡調整をしたり、ヘルパーへの指導や助言を行うことも主な役割となります。
介護福祉士実務者研修を終了し、実務経験日数などの条件をクリアすると、介護福祉士国歌試験の受験資格が得られます。
介護福祉士としての実務経験を積んだ後は、認定介護福祉士(国家試験)やケアマネジャーなど、より高度な資格の取得を目指すことが可能になります。
これにより、職場内での役割が増えたり、管理職を任されるなど、将来的なキャリアの選択肢が広がります。
「実務経験日数などの条件をクリア」については、介護福祉士国家試験の受験申し込みに必要な「実務経験証明書とは?」「退職した場合は?」「実務者研修修了証明書とは??」でご確認ください。
実務者研修を修了し、介護福祉士国歌試験に合格することで、より多くの求人に応募できるようになるだけでなく、資格を求める雇用主からの需要も高まります。
特に、質の高い介護サービスを提供しようとする施設では、専門的な知識と技術を持っている職員を優遇する傾向にあります。
実務者研修での医療的ケア講義と演習を終了し、その後実地研修を終了すると、更に転職の幅が広がります。
※実地研修とは、施設や在宅などの利用者に対し、指導看護師などのもとで、喀痰吸引などを決められた回数以上行うこと
実務者研修は、介護職経験のない人や、介護に関する資格のない人でも受けることができます。
ただ、まったく介護職経験のない人が受講する場合は内容が分かりにくいため、受講する前に介護の基礎が学べる「介護職員初任者研修」を受講しておくと内容が理解しやすくなります。
一般的に実務者研修の資格を取得する目的は、介護福祉士国歌試験を受けること以外に、より質の高い介護サービスを提供するために幅広い知識と技術を習得するということがあります。
すでに介護に関する資格を取得している場合は、有する資格によって履修科目が変わります。
介護関連の資格別による履修科目は次の通りです。
「介護職員初任者研修」「生活援助従事者研修」「介護に関する入門的研修」「訪問介護員養成研修1級課程」「訪問介護員養成研修2級課程」「訪問介護員養成研修3級課程」「介護職員基礎研修」
介護職員初任者研修修了者(ホームヘルパー2級修了者) | 社会の理解Ⅱ 介護の基本Ⅱ コミュニケーション技術 介護過程Ⅱ 介護過程Ⅲ(スクーリング) 発達と老化の理解Ⅰ 発達と老化の理解Ⅱ 認知症の理解Ⅰ 認知症の理解Ⅱ 障害の理解Ⅰ 障害の理解Ⅱ こころとからだのしくみⅡ 医療的ケア+演習(スクーリング) (340時間) |
生活援助従事者研修修了者 | 社会の理解Ⅱ 介護の基本Ⅱ コミュニケーション技術 生活支援技術Ⅰ 生活支援技術Ⅱ 介護過程Ⅰ 介護過程Ⅱ 介護過程Ⅲ(スクーリング) 発達と老化の理解Ⅰ 発達と老化の理解Ⅱ 認知症の理解Ⅱ 障害の理解Ⅱ こころとからだのしくみⅠ こころとからだのしくみⅡ 医療的ケア+演習(スクーリング) (410時間) |
介護に関する入門的研修修了者 | 人間の尊厳と自立 社会の理解Ⅰ 社会の理解Ⅱ 介護の基本Ⅰ 介護の基本Ⅱ コミュニケーション技術 生活支援技術Ⅰ 生活支援技術Ⅱ 介護過程Ⅰ 介護過程Ⅱ 介護過程Ⅲ(スクーリング) 発達と老化の理解Ⅰ 発達と老化の理解Ⅱ 認知症の理解Ⅱ 障害の理解Ⅱ こころとからだのしくみⅠ こころとからだのしくみⅡ 医療的ケア+演習(スクーリング) (430時間) |
訪問介護員養成研修1級課程修了者 | 介護過程Ⅲ(スクーリング) 医療的ケア+演習(スクーリング) (95時間) |
訪問介護員養成研修2級課程修了者 | 社会の理解Ⅱ コミュニケーション技術 介護過程Ⅱ 介護過程Ⅲ(スクーリング) 発達と老化の理解Ⅰ 発達と老化の理解Ⅱ 認知症の理解Ⅰ 認知症の理解Ⅱ 障害の理解 障害の理解Ⅱ こころとからだのしくみⅡ 医療的ケア+演習(スクーリング) (320時間) |
訪問介護員養成研修3級課程修了者 | 社会の理解Ⅱ 介護の基本Ⅰ 介護の基本Ⅱ コミュニケーション技術 生活支援技術Ⅱ 介護過程Ⅰ 介護過程Ⅱ 介護過程Ⅲ(スクーリング) 発達と老化の理解Ⅰ 発達と老化の理解Ⅱ 認知症の理解Ⅰ 認知症の理解Ⅱ 障害の理解Ⅰ 障害の理解Ⅱ こころとからだのしくみⅠ こころとからだのしくみⅡ 医療的ケア+演習(スクーリング) (420時間) |
介護職員基礎研修修了者 | 医療的ケア+演習(スクーリング) (50時間) |
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この記事を通じて、介護福祉士実務者研修の難易度、資格取得のメリット、介護関連資格取得ごとの実務者研修履修科目などについて詳しく解説しました。
実務者研修や介護福祉士の国家資格は、個人のキャリアを積むだけでなく、より良質な介護サービスの提供や、介護業界全体の質を向上させることにつながります。
介護福祉士実務者研修を受けようと検討されている方が、無事に資格習得できますことを願っております。