ヘルプマークは自作禁止?自作・販売してもいいの?

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日常生活の中で、私たちはさまざまな人々と出会います。中には見た目では分からないが、支援や配慮を必要としている人々もいます。そうした方々を支援するためのシンボルとして、日本では「ヘルプマーク」というものがあります。

この記事では、そんなヘルプマークを「自作していいのか?」「自作して販売してもいいのか?」ということについて詳しく解説していきます。

また、ヘルプマークの意義、対象者、入手方法、そして市民としての適切な対応についても詳しく掘り下げていきます。

ヘルプマークとは?

ヘルプマークとは、外見からはその必要性が分かりにくい支援や配慮を必要とする人々のための識別マークです。

このマークは、身体に障害を持つ方、内部障害のある方、妊娠初期の方など、特定の状況や条件を持つ人々が、周囲から必要なサポートを受けやすくするためにデザインされました。

このマークの導入は、東京都によって始められ、日本全国で徐々に普及しています。

ヘルプマークの目的は、障害や特定の医療状態を持つ人々が日常生活で直面する障壁を減らし、より快適でサポートのある社会環境を作り出すことにあります。持つ人々にとっては、周囲の人々に自分の状況を説明することなく、必要な配慮やサポートを受ける手段となります。

ヘルプマークは、公共の場での移動、通勤、買い物など、日常生活のさまざまなシーンで役立ちます。たとえば、公共交通機関での優先席の利用や、待ち行列での配慮など、小さなサポートが大きな助けとなることがあります。

このマークは、支援を必要とする人々が、社会の中でより活動しやすくなることを目指しています。ヘルプマークの普及と正しい理解は、包括的で思いやりのある社会を作る上で重要な一歩です。

ヘルプマークの対象者とは?

ヘルプマークの対象者は、外見からはその必要性が明確でないが、日常生活で特定の支援や配慮を必要とする人々です。このグループには、様々な状況や病状を持つ人々が含まれます。

以下は対象者となる方の一例です。

  1. 身体障害者: 義足や人工関節など、身体に障害を持つ人々が対象です。これらの障害は外見からは明らかではないことが多く、日常生活で特定の支援が必要になることがあります。
  2. 内部障害を持つ人々: 内部障害とは、外からは見えないが、身体機能に影響を与える病状を指します。例えば、慢性的な疾患や特定の健康状態により、日常的な活動が制限される場合がこれに含まれます。
  3. 妊娠初期の方: 妊娠初期には、外見上は妊娠が明らかでないことが多いですが、この時期には特別な配慮が必要になることがあります。ヘルプマークは、妊娠初期の女性が公共の場で必要なサポートを受けやすくするために用いられます。

上記はあくまで一例であり、ヘルプマークの対象者はこれらに限定されません。実際には、さまざまな状況や病状を持つ人々がヘルプマークを利用することができます。

このマークは、それぞれの人が持つ特有のニーズに対して周囲の理解と配慮を促すためのものであり、多様なバックグラウンドを持つ人々に対して広く利用されています。

ヘルプマークは自作禁止?

結論から言うとヘルプマークを自作することは禁止ではありません。

ヘルプマークを必要とする方が、自作をして使用する分には全く問題ありません。

以下は、東京都福祉保健局障害者施策推進部計画課が公開しているヘルプマーク活用のガイドラインを引用したものです。

多様な主体による作成・活用を促すため、一定の要件を満たす場合に、自由に作成・使用で
きることとします。
なお、作成・活用状況の確認・把握のため、遅滞なく東京都福祉保健局障害者施策推進部計
画課に対する情報提供をお願いします。

ヘルプマーク作成・活用ガイドライン

上記の通り、ガイドラインには「自由に作成・使用できることとします」とあります。

その為、ヘルプマークを受け取りに行くことが困難な方などは自作をして、身に着けるのも一つの選択肢となります。

ただし、自作をする場合はマークの配置や適切な縦横比率などが指定されていますので、ヘルプマーク作成・活用ガイドラインに従って作成するようにしましょう。

ヘルプマークの自作、販売はOK?

ヘルプマークのデザインについては、著作権は東京都に帰属するとともに、商標登録をしている為、「自作をして無許可で販売する」という行為についてはNGとなります。

商用目的で自作販売をする場合には、東京都への許可とガイドラインや規約の遵守が必要となります。

以下は、無許可で自作・販売をすることによって生じる可能性のある問題点です。

1.信頼性の低下

ヘルプマークの自作や無許可の販売は、公式のマークの信頼性を損なう可能性があります。

公式のマークは、特定の基準に基づいて設計されていますが、自作や非公式のマークはこれらの基準を満たしていない場合が多いです。

これにより、本来支援を必要としている人々に対する周囲の反応が鈍くなる恐れがあります。

2.濫用の増加

自作や市場での販売が容易になると、ヘルプマークを必要としない人々がこれを濫用する可能性が高まります。

例えば、健康な人が公共交通機関での優先席の利用などの特権を不正に享受することがあり得ます。

3.混乱の引き起こし

自作や市場での販売により、さまざまなデザインやメッセージのヘルプマークが出回ることで、一般の人々が正規のマークを識別するのが困難になります。

これは、支援を必要とする人々が適切な配慮を受けるのを妨げる可能性があります。

4.法的な問題

ヘルプマークのデザインは、特定の団体や自治体によって制定され、法的な保護を受けています。

無許可での自作や販売は、著作権や商標権の侵害にあたる可能性があり、法的な問題を引き起こすリスクがあります。

ヘルプマークの入手方法と配布場所

入手方法

ヘルプマークの入手方法は簡単で、多くの場合は無料で配布されています。

配布を受けるために特別な書類や障害者手帳の提出は原則として必要ありませんが、自治体によっては申請書の提出を必要とする場合があるため、事前の確認が推奨されます。

配布場所

配布場所は主に自治体の障害福祉課や福祉センターなどの公的機関です。東京都在住の方は以下の場所で無料で受け取ることができます。

配布場所
都営地下鉄各駅(駅務室又は改札)
※下記の駅を除く
 都営浅草線:押上駅
 都営三田線:目黒駅、白金台駅、白金高輪駅
 都営新宿線:新宿駅
都営バス各営業所
都電荒川線荒川車庫前駅
日暮里・舎人ライナー日暮里駅
西日暮里駅
ゆりかもめ新橋駅
豊洲駅
有明駅
多摩モノレール多摩センター駅
中央大学・明星大学駅
高幡不動駅
立川南駅
立川北駅
玉川上水駅
上北台駅
都事業所東京都心身障害者福祉センター(新宿区)
東京都心身障害者福祉センター多摩支所(国立市)
都立病院広尾病院(渋谷区)
大塚病院(豊島区)
駒込病院(文京区)
墨東病院(墨田区)
多摩総合医療センター(府中市)
神経病院(府中市)
小児総合医療センター(府中市)
松沢病院(世田谷区)
東部地域病院(葛飾区)
多摩南部地域病院(多摩市)
大久保病院(新宿区)
多摩北部医療センター(東村山市)
荏原病院(大田区)
豊島病院(板橋区)
東京都がん検診センター(府中市)

また、配布場所は拡大している可能性があるため、最新の情報は自治体のウェブサイトやヘルプマークの公式ウェブサイトで確認すると良いでしょう。

申し込みの必要性

一部の自治体では事前に申し込みが必要な場合もあります。そのため、ヘルプマークを入手する前に、最寄りの役所や関連する窓口に問い合わせて、必要な手続きについて確認することが大切です。

ヘルプマークの正しい使用と周囲の対応について

ヘルプマークは、特定の支援や配慮を必要とする人々のための識別マークです。

このマークの正しい使用方法と、それを見た周囲の人々の適切な対応について理解することは、社会全体での思いやりとサポートを促進する上で重要です。

ヘルプマークの使用方法

ヘルプマークは、他人に容易に見える場所に身につけることが重要です。例えば、バッグの外側や衣服の前面など、人目につきやすい場所に付けることをお勧めします。

また、ヘルプマークを使用する方は、そのマークが何を意味しているかを正しく理解し、必要に応じて周囲に説明する準備をしておくことが望ましいです。

周囲の適切な対応

ヘルプマークをつけている方を見つけた際には以下のような対応を心がけましょう。

  1. 席を譲る: 公共交通機関内でヘルプマークを身につけた人を見かけたら、席を譲ることを検討してください。見た目では健康に見えても、立っているのが困難な場合があります。
  2. 声をかける: ヘルプマークを身につけた方が困っている様子を見かけたら、積極的に声をかけ、必要な支援を申し出ることが重要です。「大丈夫ですか?」と尋ねるだけでも、大きな助けになります。
  3. 安全な避難を支援する: 災害時には、ヘルプマークを身につけている方が安全に避難できるように支援することが求められます。

ヘルプマーク悪用の実例

ヘルプマークは、支援や配慮を必要とする人々のために作られたものですが、残念ながら悪用されるケースもあります。

以下はその実例と、それによって生じる問題点についての概要です。

  1. 公共交通機関での不正利用: 健康な人がヘルプマークを使用して、公共交通機関の優先席を不当に利用するケースがあります。
  2. オークションやフリマアプリでの転売: 無料で配布されるヘルプマークを、オークションサイトやフリマアプリで販売する行為が確認されています。
  3. 偽装使用: 特定の場所やイベントでの特権を享受するために、ヘルプマークを不正に使用する例が報告されています。

以下の記事では更に詳しくヘルプマーク悪用の実例について解説していますので、あわせてご覧ください。

ヘルプマーク悪用の実態と4つの悪用事例!ヘルプマークの正しい理解を

Q&A

ヘルプマークとは?
ヘルプマークは、身体障害や内部障害を持つ方、妊娠初期の方など、外見から支援の必要性が明確でない人々のための識別マークです。目的は、これらの人々が日常生活で直面する障壁を減らし、必要なサポートを受けやすくすることにあります。
ヘルプマークの対象者は?
ヘルプマークの対象者には、義足や人工関節を使用する方、内部障害を持つ方、妊娠初期の女性などが含まれます。これらの人々は、外見からはその必要性が明らかでない支援を必要としています。
ヘルプマークは自作禁止?
ヘルプマークの自作は禁止ではありません。ただし、自作して無許可で販売をすることはNGとなります。
ヘルプマークの入手方法と配布場所は?
ヘルプマークは、自治体の障害福祉課や福祉センターで主に配布されています。東京都では都営地下鉄の駅務室、都営バスの営業所、都立病院でも配布されています。入手方法は簡単で、多くの場合は無料です。
ヘルプマークの正しい使用と周囲の対応は?
ヘルプマークは、他人に容易に見える場所に身につけることが重要です。周囲の人々は、ヘルプマークを見た際に席を譲る、困っている場合は声をかける、災害時には安全な避難を支援するなどの対応が求められます。
ヘルプマークの悪用の実例と問題点は?
ヘルプマークの悪用の実例には、公共交通機関での不正利用やオークションでの転売などがあります。これによりヘルプマークの信頼性が低下し、本来支援を必要とする人々への配慮が減少する問題が生じます。

まとめ

この記事を通じて、ヘルプマークの本質、対象者、入手方法、正しい使用法、そして自作や販売の問題点、悪用の実例とその問題点について深く理解することができました。

ヘルプマークは、見た目では分からない支援や配慮を必要とする人々にとって重要なツールです。

このマークの正しい使用と社会全体の適切な対応は、包括的で思いやりのある環境を作り出す上で不可欠です。

ガイドラインに従ってヘルプマークを自作することは全く問題ありませんし、自作したものを身に着けることもOKです。

なかなか受け取りに行けないという方は自作をするのも一つの選択肢となるでしょう。

私たち一人ひとりがヘルプマークの意義を正しく理解し、その使用を尊重することで、支援を必要とする人々への理解と配慮が深まります。

ヘルプマークは単なるシンボルではなく、思いやりとサポートの文化を反映する重要なサインであることを、常に念頭に置いておきたいですね。

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